フリーアナウンサー・羽鳥慎一が10月5日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)に出演し、問題発言で謹慎処分となった同局コメンテーター・玉川徹氏について改めて謝罪した。
玉川氏は9月28日放送の同番組内で、安倍晋三元首相の国葬で読み上げた菅義偉前首相の弔辞を「当然、これ電通(の演出)が入ってますからね」と発言。しかし、翌29日には「事実ではありませんでした」と訂正し、謝罪すると、その後同局から10月5日より10日間の出勤停止という謹慎処分が下されたことが発表された。
5日の放送で冒頭から「放送10回分の出演禁止ということになります」と説明した羽鳥は、改めて視聴者と関係者に「大変申し訳ありませんでした」と謝罪。続けて、19日に復帰予定の玉川氏に関し、「なぜ今回このような発言になったのかの説明を改めてするべき。そして謝罪をするべきだというふうに私は思っております」との考えを述べた。
ネット上では、同氏に対する10日間の謹慎という処分に「ただの秋休みじゃん」「報道番組で完全な憶測の発言をしておいて“休暇”のみですか」など、厳しい声が殺到。また、羽鳥の指摘するように、改めて問題発言の意図や経緯を説明する必要があると感じている人は多い。また、炎上した「電通入ってますから」と前後するほかの発言についても問題視する向きが強まっている。
国葬当日、それまで感情表現があまり得意ではない印象が強かった菅前首相による戦友への温かい言葉は、世間の心を揺さぶり、感動ムード一色に。しかし、玉川氏はこれを一蹴。「僕は演出側の人間ですからね、テレビのディレクターをやってきましたから、それはそういう風に作りますよ。当然ながら。政治的意図が匂わないように制作者としては考えますよ」と持論を述べ、その直後に「電通入ってますから」と表現したのだ。
「ネットでは、前提として語られた言葉について『むしろこれがいちばんの問題発言』『これは大失言では?』『テレビ朝日の報道姿勢にかかわってくる問題ですよ』『捏造報道をしています、と私は受け止めました』などの反応が飛び交っており、こちらの説明責任も果たすべきだとする声も多かったです」(テレビ誌ライター)
加えて、名指しして言及した電通以外に、菅前首相に対する誠意ある謝罪の言葉を求める人が多く、改めて多方面に影響の出た失言だったと言えそうだ。
(木村慎吾)