新海誠監督の最新作「すずめの戸締まり」が11月11日に公開され、13日までの3日間で観客動員数133万1081人、興行収入は18億8421万円を記録。同監督作品史上No.1の大ヒットスタートとなった。
同作は、九州の田舎で暮らす女子高生・岩戸鈴芽が、災いをもたらす扉を閉める“閉じ師”と出会い、日本各地を旅していくロードムービーで、新海監督が得意とする華麗な情景描写を堪能することができる。
2016年公開「君の名は。」が約250億円のメガヒットとなり、一気にブレイクを果たした新海監督。19年の「天気の子」も140億円を超える大ヒットを記録し、2作連続で興収100億円を突破したヒットメーカーとなったが、「すずめの戸締まり」はそんな2作をも超えるスタートを切ったことになる。というのも、公開3日間の観客動員数は、「君の名は。」との対比で138%、興収では147%、「天気の子」にも観客動員の対比が114%、興収114%と、いずれも「すずめの戸締まり」が上回っているのだ。また、同作の「満足度94.5%」という非常に高い数値を示したアンケート結果も出ている。
「封切り直後の初速を見れば、3作連続での興収100億円突破は既定路線のように思えますが、気になるのは、“劇場独占”“映画館ジャック”などと揶揄された上映回数の多さです。東京の新宿、渋谷、池袋の映画館では初日に33回もの上映を実施した劇場もあり、これは『天気の子』のおよそ1.5倍に相当。その割に同作との対比で114%という結果にとどまっており、ロングランヒットとなるかは微妙なところ。
また、同じくコロナ禍に劇場をジャックした20年公開の『鬼滅の刃 無限列車編』が、公開3日間で46億円、最終的には404億円という前人未到の大記録を達成していた影響もあり、『すずめの戸締まり』の初速興収18億円には『映画館を独占しまくった割には大きな数字ではない』『12月には話題作が公開されて独占できなくなるから、100億円超えるかどうかも確実とは言えない』との指摘も散見されます」(テレビ誌ライター)
一方で、別の海外作品を鑑賞したい客からは「これのゴリ押しのせいで観たいものが観られない」といった声も上がっている。
そんな“逆風”も浴びる中、はたして3作連続の100億円突破は叶うのか。今後の推移に注目したいところだ。
(木村慎吾)