失恋って、とても衝撃的で大きな体験です。自分ほど不幸な人なんていないような気がしたり、二度と素敵な出会いなどないように思えたりします。しばらくは胸のあたりが苦しくて苦しくて何も手がつかない……当たり前ですよね。
そんな心情のときに頑張り過ぎると、ツラさが増してしまいます。なので、「ポジティブになろう」と頑張り過ぎないことが大切です。なぜなら、失恋とはそれだけでもうエネルギーを使い果たしているようなものだからです。“何も頑張れない”ことが当たり前という心の状態なのです。元気なときなら、「よし、もう少し頑張ろう」とアドレナリンの勢いで猪突猛進できるかもしれませんが、なんせ失恋したてです。超ネガティブになるのが当たり前なのです。
そもそも、人間は変化することが苦手な生き物です。心が健康な状態のときですらそうなのです。だから「ここをこう変えれば、必ず自分の環境はよくなる」と分かっていても、なかなか人は変化することができないのです。失恋したての元気のないときならなおさらのことです。
失恋から立ち直るためにいちばん効果的なのは、思う存分に泣くこと。泣くと、副交感神経が優位になってリラックスします。脳内ホルモンのエンドルフィンが増加してストレスを発散できます。ちなみに、目が痛いというときの涙より感情の涙を流すほうがストレス発散になるともいわれています。最近では、免疫力がアップされるともいわれています。とにかく泣くこと自体がセラピーになるのです。“涙活(るいかつ)”ですね。
ひとりで部屋にこもって泣くもよし。友だちにLINEや電話をしながら泣くもよし。涙の友として音楽をかけるのもいいですから、何か自分に合うものをみつけてくださいね。
どっぷり悲しむと、今度は自然と活動したくなってきます。そうなってから少しずつポジティブを意識すればいいのです。ムリせず、あせらず、少しずつがいい。自分の心を労わりながら、心を回復していきましょう。
安藤房子(あんどうふさこ) 作家・恋愛心理研究所所長。離婚を機に日本初の恋愛カウンセラーとして独立。メールカウンセラーの草分け。心と身体両面からのアプローチで婚活・恋活女子を応援。著書は韓国・中国でも翻訳出版。心理テスト作成やメディアでMCとしても活躍中。