滝沢秀明がジャニーズを退所したことによって、改めてジャニー喜多川氏の存在が注目されている。
ジャニー氏といえば、数々の伝説や記録、微笑ましい仰天実話は枚挙にいとまがなく、タレントたちは今なおトークで語り継いでいる。有名なのは、数百人いるタレントたちの名前を間違わないよう、一律して「YOU」と呼んでいたことだ。
関ジャニ∞・横山裕の場合は、名付け親がジャニー氏だ。横山の本名は、侯隆(きみたか)。ジャニー氏が読めなかったため、関西ジャニーズJr.時代に一般公募することとなったが、結局はジャニー氏が独断で決めた。
候補はたくさん挙がった。肌が白いため「ロシア」。外国人のような容貌のため「ヘンリー横山」。焼肉屋で上カルビを焼いている時は、「ジョー」。最終的には、「裕」と書いて「ゆう」と読ませることで落ち着いたが、横山自身はその決定をテレビ番組のテロップで知った。ジャニー氏は「ゆう」ではなく「よこ」と呼び、機嫌が悪い時は「白いの」だった。
YOUに異論を唱えたのは、小学生だった松岡昌宏。オーディションでまゆ毛を染めていると、ジャニー氏から「YOU、不良なの?」と話しかけられた。まだ12歳だった松岡が「YOUって何ですか?」と聞きかえすと、ジャニー氏は「ボクは全員にYOUっていうんだよ」と答えた。「YOU」は女性の名前のイメージが強かった松岡は、「僕は松岡なんで、YOUって言うのはやめてください」と意見した。この主張が、「あいつは生意気だ」と合格の判断材料となった。
「オーディションでジャニー社長に楯突いた小学生の噂は、瞬く間に広まりました。入所1週間後、東山紀之が都内の合宿所にやってきて、『松岡って誰だ?』と“犯人捜し”を始めたそう。松岡が『僕です』と名乗り出ると、『へー。聞いてるよ』とだけ言い残し、去っていったとか」(アイドル誌ライター)
そんな松岡も、今年でジャニーズ歴33年。TOKIOは長兄グループとなり、現在は城島茂、国分太一のメンバー3人でグループ傘下会社を運営している。“師匠”東山とはスペシャルドラマ「必殺仕事人」(テレビ朝日系)シリーズでタッグを組んで16年もの月日が経つ。来春1月8日にも、後輩のHey! Say! JUMP・知念侑李とのジャニーズ3世代で出演する特番が放送される。
ジャニー氏とYOUの関係。キャラも歴も違う横山と松岡では異なるようだ。
(北村ともこ)