NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で主演を務めた小栗旬から、「どうする家康」の主演・松本潤にバトンが渡された。「鎌倉殿」の最終回に松本は、事前予告なしで冒頭にサプライズ出演。ツイッターでトレンド入りしたが、これは“親友”小栗のアイデアだった。
2人は、02年に放送されたドラマ「ごくせん」第1シリーズ(日本テレビ系)で初共演。熱血教師“ヤンクミ”こと山口久美子(仲間由紀恵)の教え子として、同じクラスの生徒を演じた。3年後、大ヒットドラマ「花より男子」(TBS系)で再び共演。松本は富豪グループの通称「F4」のリーダー・道明寺司を演じ、小栗、松田翔太、阿部力を率いた。
小栗は当初、ジャニーズアイドルでありながら俳優の世界にも進出する松本を快く思っていなかったという。しかし、寸暇を惜しんで二足の草鞋をはく姿に触れて、尊敬に変わった。今は大の親友。松本が小栗の父とサシ飲みするほどの親しさだ。
「小栗は家族の仲がよくて、誕生日になるとしゃぶしゃぶでお祝いするのが慣例です。ある年、お母さんの誕生日会にマツジュンが駆けつけ、以降は毎年声をかけられるようになったそう。小栗家の家族写真の端にマツジュンが写っていることが当たり前になっているとか」(芸能ライター)
その返礼か、小栗は松本の父の還暦祝いに駆けつけている。
松本は、親友の家族をも虜にするコミュニケーションの達人だ。堀越高校時代の同級生で歌舞伎役者の中村七之助は、父が中村勘三郎さん。勘三郎さんは生前、松本を「3番目の息子」と言うほどかわいがった。そのため松本は、勘三郎さんが12年12月に亡くなった時は葬儀でお茶配りをするなど、親族さながらで裏方に徹した。
「高校時代から七之助の自宅に泊まり、中村屋の稽古場に出入りしていたので、最高齢の中村小山三さんとも親しかった。中村座の打ち上げにも招かれています。ある公演の時には、松本が観劇に訪れていることを知った小山三さんがアドリブで台詞に、『花見客に嵐のマツジュンさんも来ているらしいけど、会ってみたいもんだねぇ』と入れ、客席の松本さんが立ち上がったこともありました」(前出・芸能ライター)
親友のファミリー丸ごとから愛される松本の人たらしぶり。念願の大河初主演で、さらに多くの大人たちをメロメロにしそうだ。
(北村ともこ)