ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「ベニスの商人」が、映画「月はどっちに出ている」や「血と骨」、舞台「焼肉ドラゴン」、「赤道の下のマクベス」などの脚本を手掛けた鄭義信氏によって「歌うシャイロック」として上演される。
シャイロックを演じるのは、14年ぶりに外部舞台に出演する岸谷五朗。鄭氏と岸谷は、1993年に公開された崔洋一監督の映画「月はどっちに出ている」でタッグを組んだ仲。しかし、鄭氏の脚本・演出の舞台に岸谷が出演するのは今作が初めてだ。
「鄭氏は、今舞台の案内状に『二人の初タッグを崔さんに見ていただくことを楽しみにしておりましたが、あいにく昨年十二月、亡くなってしまわれました。それでも、天国の崔さんが腹をかかえて笑ってくださるような作品にしようねと、五朗さんと熱く話し合っております』と記しています。出演者は岸谷をはじめ、真琴つばさ、中村ゆり、岡田義徳、和田正人、渡部豪太、小川菜摘、マギー、福井晶一、駒木根隆介など実力者ぞろいと言えるでしょう」(芸能ライター)
2月9日から21日は京都・南座。2月25日から27日は福岡・博多座。3月16日から26日は東京・サンシャイン劇場で上演予定。長年にわたって、崔監督と苦楽をともにしてきた鄭氏と、「月は~」で役者としてブレイクした岸谷による音楽劇に込められた思いは、きっと崔監督に届くに違いない。