タレントの中川翔子が3月1日、ツイッターを更新。「コオロギとか絶対食べません」と綴って大きな反響を呼んでいる。
止まらない世界的な人口爆発と、それに伴う食糧危機。こうした面から食用コオロギは世界的に注目され、すでに多くの商品が出回っている。その一方で、日本国内では昆虫食は肯定的に受け止められているとは言いがたく、多くの人が拒否感を持っているのが現状だ。
「中川のツイートがどんな意図で書かれたものか、アレルギーや寄生虫問題などまだまだ未知なことが多い昆虫食に対する懸念なのか、それとも“昆虫=気持ち悪い”という感情的な嫌悪感によるものなのかはわかりませんが、いずれにせよ、中川さんの発言は多くのネットユーザーに肯定的に受け止められています」(ネット系ライター)
中川だけではない。ネット掲示板「2ちゃんねる」の開設者で実業家のひろゆきこと西村博之氏は2月28日、生乳の廃棄処分問題を伝えるニュースを引用し、「コオロギ食べるくらいなら牛乳飲めば良いのにね」とつぶやき、多くの賛同を集めている、
昆虫食、コオロギ食がここまで注目され、否定的な意見が増加しているのはなぜなのか。先のネット系ライターが言う。
「先月、ある高校がコオロギパウダーを用いた食品を給食にて試食という形で出したところ、『子供にコオロギを食べさせるな』といったクレームが相次いだと報じられました。このニュースに伴い、世界の食糧難、食糧対策、昆虫食の研究と商品化といった流れが報じられ、日本国内でも多くの企業が“昆虫食ビジネス”に参入を始めているということも、多くの人々が認識したようです。その結果、昆虫食に対する拒否反応が増えたのでしょう。中には肯定的な意見もありますが、昆虫にはエビやカニといった甲殻類アレルギーのある人は要注意という指摘もあります。寄生虫の問題や、食べ続けるとどんな影響があるかといった長期的な研究はこれから。昆虫食が本当に安心かどうかには懐疑的な見方をする人が多いのも自然なことでしょう。もちろん、見た目の問題など、感情的・気分的な拒否感も無視できません」
こうした中、さらにやり玉に上がりつつあるのが、河野太郎デジタル大臣だ。河野大臣は昨年2月、日本の企業が開発したコオロギ食品を試食したと報じられ、「今日のおやつはナッツとフタホシコオロギ」などとツイートしたのだ。
「与党の有力政治家が、昆虫食に参入したベンチャー企業の商品を持ち上げるような行為に、政治と昆虫食ビジネスの利権を巡るきな臭い動きを想像する向きもあるでしょうね。『利権のために国民に昆虫を食わせるのか』という怒りもSNS上に上がっています。食糧難といっても、食品ロス問題が大きく報じられることの多い日本ではまだまだ身近な問題とは言えず、コオロギに予算を使うなら食品ロスや牛乳の廃棄問題に使えという声もあります。当分の間、日本で昆虫食が市民権を得ることはないでしょう」(週刊誌記者)
昆虫食は、栄養的に見ても飼育するコストで考えても有益なものなのかも知れないが、食とは栄養が摂れればいいというものではない。人生の大きな楽しみであることも考えれば、拒否感のある人に無理に食べさせられるものではないのかもしれない。
(石見剣)