喜びもつかの間なのかもしれない。
2023年度前期のNHK連続テレビ小説「らんまん」が4月3日にスタート。主人公・槙野万太郎の母親である槙野ヒサとして広末涼子が登場し、中高年層を中心に視聴者を喜ばせている。
芸能歴は28年に及び、ドラマ出演も数多い広末だが、意外にも朝ドラへの出演は今回の「らんまん」が初めて。1995年に「クレアラシル」のCMでデビューした際の印象は鮮烈で、今でも中高生時代のイメージを抱き続けているファンも多いことだろう。
もっとも今や42歳となり、3人の子供を育てる母親となったこともあり、映像作品でも母親役を演じることが増えている広末。昨年7月期のドラマ「ユニコーンに乗って」(TBS系)ではIT企業のトップにして一児の母親という役でレギュラー出演しており、主演の永野芽郁を慈母のように見守る姿が印象的だった。
「今作では病弱ながら、笑顔を絶やさない母親役で登場。視聴者からは<朝から眼福!><広末涼子は常に正しい!>と絶賛の声もあがっています。広末自身が高知県の出身ということもあり、土佐を舞台とする本作には最適の配役との評価も聞こえてきます」(テレビ誌ライター)
主人公の槙野万太郎(森優理斗)の子供時代を描いている序盤では、妻となる寿恵子(浜辺美波)も出演しないことから、広末の存在感はヒロインさながら。デビュー当時から現実離れしていると評されていたルックスも、病弱で儚げな母親の役にはぴったりだろう。
そんな広末に魅入られる視聴者が多いなか、実は当の広末が早々と物語から退場する可能性が高いというのだ。それに伴って視聴者が離れてしまう恐れも指摘されているが、その根拠は何なのだろうか?
「本作は植物学者の牧野富太郎博士をモデルとしています。実家が土佐の造り酒屋であることや、 万太郎が作中の1867年に幼子であることなど(※牧野博士は1862年生まれ)、史実を正確に反映しているのが分かります。そうなると母親も間もなく亡くなってしまうことになるのです」(前出・テレビ誌ライター)
牧野博士は3歳で父を失っており、作中にも父親は登場しない。その後5歳で母を亡くし、祖母に育てられている。作中でも槙野家を仕切っているのは祖母のタキ(松坂慶子)であり、本作は史実をしっかりとなぞっているのだ。
そして作中で万太郎は5歳を迎える年となっている。それゆえ病弱な母親のヒサは、もう間もなく亡くなってしまうはずなのである。
「よもや広末のような大物女優が物語の序盤で亡くなるとは、視聴者も驚きでしょう。前作の『舞いあがれ!』ではヒロイン舞の父親・浩太(高橋克典)が心不全で亡くなりましたが、それは第66回でのこと。ヒサ(広末)はおそらく今週中には亡くなってしまうでしょうから、 彼女をお目当てで『らんまん』を観ていた視聴者は、第1週でいきなり脱落を余儀なくされかねません」(前出・テレビ誌ライター)
せっかく大物女優を起用したならもっと長生きさせてほしいところだが、あえて序盤で退場するという贅沢なキャスティングもまた、朝ドラらしさなのかもしれない。