10月6日に開幕するフィギュアスケートの「フィンランディア杯」に出場する浅田真央が、トリプルアクセルを跳ばない方針であることを明かした。成田空港を出発する際の取材に応じた浅田は「まだ入れられない。まだまだ練習が足りないので、確率が上がってから入れたい」とコメントしたのだ。
浅田が代名詞と言えるトリプルアクセルを回避したことにがっかりする声もあろうが、ファンは意外なほど冷静に受け止めているようだ。
「昨シーズンの浅田は1年のブランクを経ての出場に気負いすぎました。元通りの演技ができなくて当然なのに初戦がうまくいきすぎて周囲の期待が高くなり、プレッシャーを感じていたと思います。浅田にとってトリプルアクセルは特別なもので、以前はどんなに成功率が低くても、佐藤信夫コーチが跳ぶなといっても演技に入れてしまったほどこだわりがあった。しかし、こうして『跳ばない』と宣言できるあたり、今季はしっかり勝負を見据えているのだと思います」(スポーツライター)
トリプルアクセルを跳ばなくても、精度の高い技術と表現力で高得点を出せることは、これまでの試合でも証明されている。各国とも若い世代が台頭し、多彩なコンビネーションやテクニックをこなす選手が増えている現状にあって、若い世代には表現しきれない演技力で勝ちを狙う浅田に注目だ。
(芝公子)