演者は何も悪くないと分かっているけど…批判する側もそんなジレンマを抱いているようだ。
9月15日に公開される映画「ミステリと言う勿れ」の公式ツイッターにて、4人のキャストが新たに発表。2022年1月期のドラマ版に登場していた刑事役の伊藤沙莉・尾上松也・筒井道隆、そして永山瑛太の出演が明らかになった。
この発表には作品のファンから<楽しみ~!>といった声が続出するなど、おおむね歓迎されている様子だ。ただ映画版の元ネタとなる原作マンガの広島編には、永山の演じる「我路」が出てこないこともあり、なかには<ストーリーが少し変わるのかな?>といった疑問の声もあがっている。
その一方で、風呂光聖子刑事を演じる伊藤を巡っては、<なんで風呂光が出るの?><伊藤さんが悪いわけじゃないけれど…>といった声が続出しているというのだ。
「疑問の声があがる理由の一つは我路と同様に、広島編には風呂光刑事の出番がないから。ただ映画化に際して原作マンガを100%忠実に再現するだけではないでしょうし、他のエピソードでは出番の多い風呂光刑事が登場すること自体は決して不自然ではありません。問題は、ドラマ版における風呂光刑事の描かれ方にあるのです」(原作マンガに詳しい女性誌ライター)
原作での風呂光刑事は新米の女性刑事で、主人公・久能整の洞察力や観察眼の鋭さに感心し、彼の視点や発言を信じるという大事な役目を担っている。ドラマ版でも菅田将暉の演じる整を慕っており、いわば狂言回し的な役目も果たす重要なポジションを担っていた。
それゆえ演技力に定評のある伊藤を起用することには原作ファンも納得していたもの。ところがそのドラマ版にて、原作には描かれていない要素が風呂光刑事のキャラクターに追加されており、それが大きな批判を呼んでいたのだ。
「ドラマでの風呂光刑事は、主人公の整に恋心を抱いているのです。原作マンガには一切ない要素ゆえ、風呂光刑事が謎の女性・ライカ(門脇麦)に対して嫉妬心を抱く描写には《こんなの要らない!》と大ブーイングがあがっていたもの。しかも映画版の題材となる広島編には明確なヒロインが存在しているので、風呂光刑事の登場によりストーリーが大幅に改変されるのではと危惧する声もあがっています」(前出・女性誌ライター)
そのヒロインとは、原菜乃華が演じる狩集汐路だ。広島編は狩集家の遺産相続が物語のベースとなっており、女子高生の汐路は重要な役割を果たすキャラ。原作ではショートカットの快活な女性として描かれており、一見とっつきにくい主人公・整に対しても物怖じせずに接する姿が印象的だ。
ロングヘアの原を汐路に起用することが発表された際には「イメージに合わない」との声もあがったもの。ところが公開されたキービジュアルでは原が耳を出した短めの髪型となっており、原作に合わせてきたことを評価する声もあがっていた。
「それゆえ映画版には原の演じる汐路がいれば、ヒロイン的要素はもう十分のはず。そこになぜ風呂光刑事まで絡める必要があるのか、まったくもって疑問です。しかも風呂光は警視庁の所属ですから、広島で発生する事件に関係するのは不自然に過ぎるというもの。まさか急遽、警視庁が広島県警と共同捜査するといった強引すぎる展開にならなければいいのですが…」(前出・女性誌ライター)
原作が累計1800万部突破というメガヒット作品ということもあり、期待の高まり方は半端ない「ミスなか」の映画版。そんな話題作に出演できるのは女優としても嬉しいはずだが、人気女優の伊藤がひょんなところで無用な批判にさらされないよう、制作側には入念な対応を期待したいところだろう。