かつてジャニーズ事務所に所属していた歌手・田原俊彦が、世間を騒がせている性加害問題について言及している。
1976年に故・ジャニー喜多川氏への直談判により事務所に入所した田原。以来、約20年間にわたってジャニーズタレントとして人気を博し、退所後も独自の路線で活躍中だ。現在の田原があるのは彼のおかげと言って間違いないジャニー氏の性加害問題が今、大きな社会問題となっているわけだが、これに関し、新曲の発売に合わせて受けた、エンタメサイト「ENCOUNT」のインタビューの中で田原が口を開く場面があったのだ。
インタビュアーに、「OBとして今、ジャニーズ事務所をめぐって起きている問題をどうお考えですか」と聞かれると、田原は「話したくないよ。だって、ジャニーズを辞めて30年だよ。そんな人間が言っちゃ、ダメでしょ」と返すに留まった。
また、性加害にまつわる記事を読んだ感想についても聞かれると、「だから言わないよ」と回答を拒否。続けて「アイドルっていう仕事は過酷なんです。みんな与えられた時間の中で本当に頑張っているんです。僕もそうだった。40年以上前は死ぬほど忙しかったし、生意気だったけど、自分の役割を必死にやっていたよ」と、売れっ子ゆえのハードなスケジュールを思い返している。
なお、田原は、ジャニー氏の性加害問題が過熱していた真っただ中の5月26日に「ジャニーズ合宿所の間取り紹介」と題したYouTube動画を公開して、物議を醸した。性加害の現場と報じられている合宿所を巡る、このあまりにタイムリーな動画の投稿についてもインタビューで聞かれた田原は、「あれはたまたまです。そんなの(性加害問題のニュースを)知らない時に撮っているし、公開のタイミングがそうなっちゃっただけでね。『田原俊彦は相変わらずKYだ』とかたたかれてるんでしょ」と、単なる偶然だったと話している。
「田原はYouTube動画の中で、6年ほどを過ごしたという合宿所について、『僕中心に食事も回るし、お風呂も1番』『こんなにでっかい部屋をもらって、おいしいもの食べられて、洗濯はしてくれるわ、もう快適』などと回想しています。本人にとっては、ジャニー氏との合宿所生活の日々は良い思い出のようで、むしろジャニー氏のほうから『そろそろ出て行かない? トシ。マッチ(近藤真彦)も出て行ったぞ?』と催促されるほどだったといいます。今回の騒動では被害者のプライバシーを守らなければならない非常にセンシティブな一面もあることから、一定の距離を置いて回答を拒否した田原には、ネット上で『軽々しく何かを言うと問題になるから賢明だと思います』『“言えない”じゃなくて“言わない”んですね。誰かの圧力じゃなくて、自分の意志でのノーコメントなら、その選択もありだと思う』『いかにも田原さんらしい』などと擁護する反応が目立ちました」(テレビ誌ライター)
実際、田原がジャニーズ事務所を離れてからは長い月日が経過しており、実態を正確には把握していないという事情もあるだろう。“ジャニー氏との楽しかった日々をなかったことにはしたくない”─。そんな田原の想いもあるのかもしれない。
(木村慎吾)