決してドラマならではの絵空事ではなかったようだ。
7月3日放送のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」第79回では、アイドルプロデューサーの“太巻”こと荒巻太一(古田新太)が、東京・上野にアイドル劇場を作った理由を説明。その際、東京スカイツリーへのクレームを口にしていたという。
上野に劇場を作る構想を発表した当初、太巻は株主たちからの反対に遭ったと振り返りつつ、その反論として「2011年に東京EDOタワーが建つんです!」と言い続けていたことを明らかにした。
ここでヒロインのアキ(能年玲奈)によるナレーションが始まり、「2008年、タワーの名称が決まりました」と説明。太巻が推す「東京EDOタワー」などの有力候補を抑え、選ばれたのは東京スカイツリーだったと明かしたのである。
「この『東京EDOタワー』という名称にあやかったのが、アメ横女学園の本拠地である東京EDOシアターなのは明らか。そのため本作ならではの創作された名称だと思っている視聴者も多いことでしょう。ところが実際のところ『東京EDOタワー』は、本当に有力候補のひとつだったのです」(週刊誌記者)
建設中は「新東京タワー」と称されていたタワーの正式名称が決まったのは2008年6月のこと。名称は公募により1万8606件の応募が寄せられ、作詞家の阿木燿子ら有識者10人による「新タワー名称検討委員会」が6つの候補を選定していた。
その6つとは正式名称となった「東京スカイツリー」を筆頭に、「東京EDOタワー」「みらいタワー」「ゆめみやぐら」「ライジングイーストタワー」「ライジングタワー」というもの。なんと東京EDOタワーは正式な候補だったのである。
「全国投票は1位の東京スカイツリーが3万2699票(29.8%)、2位の東京EDOタワーが3万1185票(28.4%)と、わずか1514票差だったのです。これほどの僅差だったのですから、太巻が『私は今でも東京EDOタワーのほうが断然いいと思ってますけどね』と、スカイツリーの名称にクレームをつけていたのも納得でしょう」(前出・週刊誌記者)
もし東京EDOタワーが正式名称になっていたら、アイドル劇場の名称はおそらく「東京スカイシアター」になっていたのではないだろうか。
その場合、太巻は「東京スカイツリーのほうが断然いいと思ってますけどね」と語っていたはず。そんなパラレルワールドを夢想するのも楽しいものだが、荒巻が予言した「東京の中心は上野に変わります」は残念ながら、実現しなかったようだ。