保険金不正請求問題で揺れる中古車販売「ビッグモーター」だが、図らずも、ある商品の経済効果に貢献する事態が起きているという。
板金や塗装を行っていた一部店舗で、客から修理依頼を受けた車にゴルフボールなどで傷をつけ、不正に自動車保険の水増し請求をしていたことが発覚した同社では、すでに兼重宏之社長と、息子で副社長だった兼重宏一氏は辞任。新社長を据えているが、現在では店舗前の街路樹の問題も大きく取り上げられている。各地の店舗前で相次いで報告される「店先の街路樹が枯れている」との告発だ。全国で少なくとも20カ所以上の報告があるといい、埼玉県の所沢店の店長が7月29日、「除草剤を定期的にまいていた」と説明したことがわかっており、同県の浦和美園店の店長も、さいたま市に対し「月に1〜2回まいている」と除草剤の使用を認めている。
これらの行為が、通りを走る車から店舗を見えやすくする、枯れ葉が舞って清掃する手間となるため街路樹ごと枯らすなどの意図的なものだった場合、大きな問題に発展する可能性がある。一方で、ビッグモーターが使用したとされる除草剤は急激にその株を上昇させているようだ。
「ビッグモーターによる“街路樹枯らし”疑惑が深まった要因として、店舗前だけ不自然に木々が枯死している様子がGoogleストリートビュー上で確認されたこと、加えて、ビッグモーターの従業員と思しき複数名の人物が店先の植木に何かを散布している様子、衛生薬品メーカー『フマキラー』の除草剤『除草王』が店舗前に置かれている画像もありました。すると、このシリーズ商品のオンライン通販には『ビッグモーター御用達!』『この除草剤を使えばすぐに邪魔な樹木を枯らす事が出来ちゃいます!』などのレビューがズラリ。“サッと広がり、スッと染み込む!根まで枯らす”とうたう商品の実力が『完璧に証明された』として、一部ホームセンターでは売り切れ状態との証言もあります。さらに26日には東証スタンダード上場のフマキラー株が年初来高値を更新するなど、“ビッグモーター特需”の恩恵を受けているようです」(テレビ誌ライター)
道路沿いの街路樹は、町の美観や道路環境を整えるだけでなく、歩行者への日陰の提供や事故時のガードレールとしての役割も期待されるもの。いち民間企業が意図的に枯死させる行為は、決して許されない。
(木村慎吾)