M-1史上最高得点を叩き出した2019年の覇者・ミルクボーイ(内海崇、駒場孝)が、2023年大会の優勝コンビ・令和ロマン(高比良くるま、松井ケムリ)の快挙を讃えている。
12月26日に放送されたラジオ番組「ミルクボーイの煩悩の塊」(ABCラジオ)では、24日に令和ロマンの優勝で幕を閉じた「M-1グランプリ2023」(テレビ朝日系)の話題に。令和ロマンは1stラウンド、最終決戦のいずれにおいても不利とされるトップバッターとして出場し、最後は7人の審査員から4票を獲得して王者に輝いた。
1stラウンドをトップバッターで出場して優勝したコンビは、初代王者・中川家以来の快挙となり、内海は「トップでな、緊張するよな。1番で出て、すごいよな」と驚きをあらわに。。圧倒的に不利だとされてきた1組目での優勝が叶い、今後はトップバッターだとしても「言い訳できひんで」と指摘している。
また、令和ロマンが事前に複数の“鉄板ネタ”を準備し、様々なシチュエーションに柔軟な対応ができるよう備えていたことにも、内海は、「令和ロマンって、他の人とネタが被ったりしたら、変えられるように何パターンもあって、他の人のネタも知ってる」「前の人がしゃべくりをやったら、(自分達は)コントっぽいのを持ってくるとか。そんなん無理やん? 『(直前のコンビが)これやったから、これやー!』って、空気を敏感に読んでな」と讃えた。
駒場も「一番、お笑いとM-1を研究してる」と、令和ロマンの勉強熱心な姿勢に触れると、内海は「“トップバッターやからお客さんとしゃべる感じのネタをやった”って。そんなんできる? オレらに無いところを全部持ってる」とフレキシブルな能力に感銘を受けている。
「ミルクボーイは、コーンフレークやモナカなど、一つのテーマに絞ってトコトン掘り下げる“行ったり来たり漫才”という独自の掛け合いを披露。そのフレームワークを細部までブラッシュアップすることに専念する職人気質で、直前のコンビがどんなネタを選んだかで自分たちのネタを変えるといった柔軟性では勝負していません。だからこそ、令和ロマンの戦略的な采配に驚いたのでしょうが、依然として『681点』という大会史上最高得点はミルクボーイの記録のまま。そんな絶対的王者である2人が、冷静に自分たちに欠けている要素を見出して後輩王者を讃えていることには、芸人に対するリスペクトを感じるとして、ネットから『好感が持てます』『万人受けするのはむしろミルクボーイ』などの反応が出ています」(テレビ誌ライター)
一つのネタを磨き続け、スタイルを変えないミルクボーイと、状況に応じて変幻自在にパターンを変える令和ロマン。どちらもM-1では優勝という結果を出しており、多くの後輩に夢を与えるお手本となったことだろう。
(木村慎吾)