昨年大みそかに放送された「第74回NHK紅白歌合戦」は、平均世帯視聴率で第1部が29%、第2部が31.9%だったことがわかった。(ビデオリサーチ調べ/関東地区)。2部制が導入されてから1部が視聴率で30%を割り込むのは史上初。第2部もワーストを記録するなど、大惨敗の放送となってしまった。視聴率の低迷は、旧ジャニーズ事務所のグループが出場しなかったことが大きな要因だとも言われている。
「Snow Manはじめ、多くの旧ジャニーズ事務所(「SMILE-UP.」と「STARTO ENTERTAINMENT」に分離)所属グループが、紅白にぶつける形で大みそかに生配信。結果、各グループの配信は大きな話題となり、特にSnow Manは視聴者数が100万人を突破。例年、旧ジャニーズグループが紅白に出場していることを考えれば、数百万人のファンが紅白を視聴しなかったことになる。視聴率の計測方法から考えても大幅に数字に影響したとは言えないものの、数ポイントは旧ジャニーズタレントを排除したことで数字が落ちたといえるでしょうね」(民放関係者)
この低視聴率の結果もそうだが、今回は例年になくSNSでの紅白バッシングが過熱した大荒れの年となった。特にやり玉に挙げられたのが、K-POPグループたちだ。
「旧ジャニーズグループの代わりとなったのが、K-POPの人気グループであるStray kidsとSEVENTEENだった。旧ジャニグループファンからすれば面白くなく、放送前から紅白へのバッシングがSNSで続いていました。しかも、紅組にはMISAMO、LE SSERAFIMが出場し特別企画でNewJeansが参加。その他にも、K-POP関連の事務所がプロデュースするJO1、NiziUも番組に出場しました。MISAMOはTWICEの日本人メンバーで結成され、LE SSERAFIMにも日本人がいるものの、視聴者からはK-POPグループばかり出すなと猛バッシングが吹き荒れました。NHKが受信料で成り立っていることを槍玉に挙げ、K-POPばかり出すなら番組を廃止すべきとの意見も見かけます」(スポーツ紙記者)
また、今回の紅白で国内テレビ初披露となった、YOASOBIの「アイドル」にも賛否両論が巻き起こる事態になっている。
「『アイドル』の歌唱では、乃木坂46や櫻坂46など日本のアイドル以外にも、出場していたStrayKids、SEVENTEEN、NewJeansなどK-POPアイドルも参加したスペシャルコラボとなった。華やかなステージで評価が高かったが、『YOASOBIのパフォーマンスを純粋に見たかった』という声や、『K-POPアイドルが邪魔で、YOASOBIが見えない』といったクレームが放送直後からSNSにあふれた。中には、著名な音楽評論家がXの投稿で『アイドル』の演出を絶賛したことに対して炎上する事態にも。」(スポーツ紙記者)
視聴率だけでなく、SNSでも炎上が相次ぎ後味の悪い放送になった今回の紅白。NHK内部では、早くも今年の紅白の準備に取り掛かっているという話もでている。
「まずは、旧ジャニーズのマネージメントを引き受ける、STARTO ENTERTAINMENTとの交渉からスタートするようです。来年は旧ジャニグループの出場をNHKは進めたいところですが、今回の不出場で両社の関係に亀裂ができた。関係修復と、今年の紅白での出場の調整をまずはするようだ。また、出場歌手や企画などの取り扱いを、もう一度確認し直すようです。三山ひろしが歌唱した際の『けん玉ギネス世界記録挑戦』も結局は取り消しになるなど、不手際も見えた。K-POPグループの取り扱いも含め、番組の方向性づくりをもう一度しっかりと行うようです」(民放関係者)
視聴率が過去最低を更新しているとはいえ、紅白が多くの視聴者が見るおばけ番組であることは変わらない。番組内でも受信料で成り立っていることを何度もアピールしていただけに、多くの視聴者が納得する番組にブラッシュアップしてほしいところだ。
(渡邊伸明)