お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志が自身にかけられた性加害疑惑に対する説明の場として、昨春までコメンテーターとしてレギュラー出演していた情報番組「ワイドナショー」(フジテレビ系)を選ぶと表明したのはさる1月8日。次回放送は、1月14日と直近であるため、1番組での“独占反論”かと注目は高まるばかりだったが、結局、フジ側が松本が所属する吉本興業と協議を行ったといい、急転直下、10日になって出演は見送られた。
それにしても興味深いのは、松本が「ワイドナショー」出演意思を示した直後の、ある同番組コメンテーターの発言だった。現在の同番組にコメンテーターとしてレギュラー出演しているロンドンブーツ1号2号・田村淳だ。松本の判断を「腑に落ちない」と首を傾げていたのである。
「昨年12月27日に週刊文春が報じた、2015年に起きたとされる一般女性への性的行為強要疑惑について吉本興業は“事実無根”として法的措置に出ることを示唆していましたが、1月8日になって、文春との裁判に注力するとして芸能活動の休止を発表。直後に松本が自身のXで『事実無根なので闘いまーす。それも含めワイドナショー出まーす』と投稿しました。ところがこれに淳は、9日に更新したXで『松本さんの件 裁判で白黒はっきりさせることは納得できるんだけど…芸能活動休止とワイドナショーを選んでコメントすることは、うーん なんか腑に落ちないんだよなぁ…コメントする場所を選べるのならサンジャポにした方が良いと思う』と綴り、同じ時間帯のライバル番組「サンデー・ジャポン」(TBS系)への出演がベターだと提案したんです」(テレビ誌ライター)
淳は続けて、「ワイドナショーにいらっしゃって、僕がスタジオにいる回であれば、そのあたりも含めて質問をぶつけてみたいです」「本当に事実無根であれば記者会見が良いと思う」などと投稿。番組内ではなく、会見での説明を求めていた。
「松本降板後も『ワイドナショー』は、東野幸治が司会進行を継続。今田耕司や田村淳が脇を固める、いわば松本にとっては反論の場にもっとも好都合な“吉本興業タレントに囲まれた番組”に見えます。吉本興業の意に反するような、松本にとって不都合な質問を浴びせられるリスクが限りなくゼロに近く、会見で記者から鋭いツッコミを受けることもなさそうなのはハタ目にも明らかです。ただし、淳が『サンジャポ出演』を勧めたのは、そうした環境下での釈明が世間にどう映ってしまうかを危惧したものであると考えられ、あえて“アウェー”な場で反論すべきだと示唆しているようにも見えますね。実際、ネットには『まぁワイドナショーはどうせ松ちゃんを持ち上げるからなぁ』『田村さんの発言は勇気があって素晴らしい』『淳はよく踏み込んで言った』『これを言える吉本の芸人は淳くらい』などと絶賛する反応が並んでいます」(前出・テレビ誌ライター)
多くの吉本芸人がこの騒動に沈黙を続ける中、大先輩である松本に抱く違和感を“物申した”淳。吉本興業サイドからすると、「ワイドナショー」で松本と淳をそろって出演させることにも懸念が生じていた可能性もあるのではないか。
(木村慎吾)