スープが美味しい季節ですね。カラダを温めてくれて、ホッと一息つけるスープは冬のごちそうです。
そんなスープですが、実はより一層美味しく作るコツがあるようなんです。2023年12月20日に開催された日本スープ協会のセミナーより、スープを美味しく作るポイントとレシピをピックアップして紹介していきましょう。
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部の管理栄養士である田端稔さんは、美味しい料理を作るための、簡単に実践できる調理法を紹介していました。中でも、スープに合う食材の美味しさを逃さないコツは、かなり役立ちそうでした。
■あさりは凍らせる
スープにも使われる「あさり」には、グルタミン酸とコハク酸のうま味エキスが含まれています。でも、生の状態ではうま味が細胞に閉じ込められてしまうので、冷凍することで細胞を壊し、うま味を外に出しやすくするとよいのだとか。また、うま味エキスを最大限に引き出すには、殻付きで冷凍するのがよいようです。
■じゃがいもは煮崩れさせない
「じゃがいも」は、煮崩れさせないのが美味しくスープに使うコツ。そのためには、皮付きのままで水から中火で茹でるとよいそうです。
そのときのポイントは、水から茹でて60℃になったらいったん火を止め、3分後に中火で徐々に沸騰させてやわらかくすること。お湯から茹でると、中心部と外側の温度差が大きくなって、火の通りが不均一になってしまうそうです。
バターで炒める方法もあります。じゃがいもをバターで炒めることで、じゃがいもに含まれるペクチンの働きが強化されて煮崩れを防ぐことができるそうですよ。
セミナーではスープ作家の有賀薫さんが、市販スープを活用した簡単アレンジスープレシピを紹介していました。その中から、先のテクニックを使った「あさりとじゃがいものシンプルクラムチャウダー」のレシピを紹介します。
【あさりとじゃがいものシンプルクラムチャウダー】
〈材料4人分〉
●ハウス食品「北海道チャウダー(クラムチャウダー用)」1/2箱/長ねぎ1/2本じゃがいも大1個(150〜180g)/冷凍あさり(殻付き200〜250g・むき身80~90g)/バター大さじ1/水300ml/牛乳200ml/(あれば)パセリ、クラッカーなど
〈作り方〉
1.あさりを砂抜きして冷凍しておく(または冷凍あさりを使用)
2.じゃがいもは皮をむいてさいの目に切る。長ねぎはタテに切込みを入れ1cm幅に切る
3.鍋を中火にかけ、バターを溶かして長ねぎとじゃがいもを炒める。水300mlを加えてふたをしてやわらかくなるまで約10分煮る
4.鍋を下ろし、割ったルウと牛乳を加えて溶かす
5.再度火にかけ、あさりを加えてふたをして5〜6分煮込む。あさりが煮えたら出来上がり。お好みでパセリ、クラッカーなどのトッピングを
ところで、あさりは栄養が豊富で、イカ・タコ・牡蠣といった魚介類全般に多く含まれるタウリンという栄養素も含まれます。内科医で血液専門家医の久住英二さんよると、タウリンには免疫バランスを整える効果が期待できるそうです。美味しくて温まるだけでなく、免疫の観点からも冬には積極的に取りたいスープといえそうですね。