ピン芸日本一を決める「R-1グランプリ2024」(フジテレビ系)が、3月9日に放送を控えている。決勝に出場する芸人、審査委員も決定しているが、この時期になってもテレビ業界では全くといっていいほどに盛り上がりを見せていないという。
「現在、テレビ朝日系で決勝が放送される『M-1グランプリ』を筆頭に、各局で毎年、お笑い芸人の賞レースが行われていますが、ピン芸人に絞った『R-1』 は、今大会からエントリー資格を変更して芸歴制限を撤廃。このルール変更が奏功してか過去最多の5457人がエントリーしています。ただ、注目度は低く、『見ない』と言い切るテレビ関係者もいるほどです。『M-1』で優勝すれば一夜にして大ブレイクすると言われる中、今年も、さびしい賞レースになっています」(民放関係者)
理由としては、優勝者が全くといっていいほどブレイクしていないからだと言われているのは知られた話だ。
「過去の優勝者で、純粋にピン芸人としてブレイクしたのは、ハリウッドザコシショウとお見送り芸人しんいちくらい。博多華丸は、優勝後にブレイクしましたが、コンビで頑張っていたのでR-1のお陰とは言い難い。粗品や野田クリスタルは出場時には、すでに人気者でしたし、ゆりやんレトリィバァもブレイク後の優勝。『R-1』で優勝した芸人をブッキングしても、視聴率が取れないとテレビ局スタッフの間でも周知され、昨年優勝した田津原理音にいたっては、全国放送では優勝後もほとんど活躍を見なかった。優勝者がブレイクできず、くすぶっている現状です」(民放関係者)
そんな「R-1」だけに、芸歴制限撤廃の大改革を行ったわけだが、今年の出場者は小粒ばかり。早くも史上最低の視聴率を更新しそうだと、不穏な噂がテレビ業界で流れ始めていると他局の編成担当者は明かした。続けてもらおう。
「視聴率を取れない芸人が残った印象で、話題になるのも、アマチュア芸人の『どくさいスイッチ企画』ぐらい。『R-1』の悪口を言っていたウエストランドの井口や、人気の高い兼近大樹、キンタロー。が落選したのは局として痛かったところじゃないですか。視聴率は年々下がり続け、昨年の『R-1グランプリ2023』は、平均世帯視聴率が関東で5.8%、関西で9.5%(ビデオリサーチ調べ)。カンテレが積極的に番宣する関西地区でも10%を切ったことで番組自体の打ち切りも検討されているほどです」
視聴率も悪く、王者もブレイクしないという『R-1』は、今年の結果次第では整理対象になりそうだと言われている。
「『R-1』に関しては、関東地区での視聴率が目も当てられない状況。今回の放送で5%台を下回ったらフジテレビが打ち切りを宣告してもおかしくないと言われています。それに、番組はカンテレが制作していますが、『R-1グランプリ2023』では、出場者の点数で誤表示を出すなど何か裏があるんじゃないかと噂されるような事態を引き起こすなど、放送も粗末なものだった。芸歴制限の撤廃も遅きに失した感は否めません」(前出・民放関係者)
賞レースを優勝しなくても活躍している芸人は山ほどいるだけに、「ピン芸人たちは『R-1』に夢を見ないほうがいい」と改めて強調しておきたくなる。
(渡邊伸明)