裏金問題に揺れる日本の政界でも、重鎮の出馬辞退など大きなニュースがある中、それでも国内のテレビ、やネットメディアは3月26日の朝から、水原一平通訳の違法賭博問題の渦中にあるドジャース・大谷翔平の会見一色の様相。本人の口から〝事情説明〟があるとあって、さすがに注目度は高かったわけだが、大谷は約12分間の会見で「彼(水原一平氏)が僕の口座からお金を盗んで、なおかつ、みんな僕のまわりにもウソをついていた」をはじめとして「ウソ」を連発。悲壮感を漂わせた。その様子に、大谷と水原通訳の蜜月を知っている日本のファンはより一層複雑な気持ちになったようだ。
ところが、ワイドショーなどではコメンテーターの弁護士らが大谷会見についての疑問を指摘。特に口をそろえたのが、なぜ水原氏が大谷の目を盗んで多額の金額を送金できたかの説明がなかったという点。これには一般の視聴者からも釈然としない意見があるにはあったが、
「日本国内では『大谷は悪くない』という大谷バイアスが完全に掛かってます。その証拠に一部の釈然としない声などかき消されてまう勢いで、疑問などを指摘した弁護士たちへのバッシングがスゴい。捜査中だから言えないことぐらいわからないのか、そもそも手口は大谷ではなく水原氏が話すことだ、大谷はウソをつかれたと言ってるんだから知ってるわけがない、水原氏を信用していて生活費なども託していたからパスワードぐらい知っていたはずだ…などなど。挙げ始めたらキリがないほどの大谷擁護で覆われたんです」(週刊誌ライター)
とはいえ、大谷会見への疑惑が消えない理由に、スキャンダル発覚後すぐに水原氏が大谷が(借金の)肩代わりをしてくれたと口走ってしまったこと。これがこのスキャンダルを複雑なものにしていることは間違いないと、国内の大手の金融関係者も語る。
「大谷のように天文学的な金額が各方面から集まる有名人の場合、顧問会計士が何年にもわたり横領していたという話は世界のあちこちにあります。今回もどうやらそういった感じで決着をつけたい雰囲気はありますが、報道によれば、巨額のお金が何回にも分けて違法賭博業者に大谷の口座から送金されたとも。生活費などの支払いも任されていた水原氏がパスワードを知っていたから可能だとする声があるのもわかりますが、その場合、水原氏が大谷の資産を全て管理するぐらいの立場にないと難しいはずです。しかし、通常、年収100億以上のアスリートに会計士や税理士など、少なくとも数人のお金のプロが付いていないわけがない。親友だからという理由で、はたまたパスワードを知っているというだけで、勝手に計450万ドルもの大金は動かせないはずです。なぜならそこまでの大金なら、送金のたびに管理人、もしくは大谷本人に連絡が行くはずですから。それすら知らないと大谷が言うなら、やはり水原氏が会計士や税理士の役割もするほど大谷のお金の一手に引き受けていたことになる。ただ、今伝えられている情報だけで考えると、いかにもそれはおかしい。となると、いちばん最初の『大谷が肩代わりしてくれた』という水原氏の発言が妙に説得力を持ってくるのも事実です」
水原氏の言動を片っ端からウソとして、大谷が「何も知らなかった」と言い切ったウラは何かがあるのか。共犯者の存在は?成り行きが注目される。
(飯野さつき)