芸歴56年を誇る大御所漫才師・中田カウスが、吉本興業の後輩で性加害疑惑を報じられているダウンタウン・松本人志について「素人の女の子と揉める。これはもう最低やわ」と厳しく非難している。
2015年に後輩芸人が集めた複数の女性とホテルでの飲み会に参加して女性の同意がない性的行為に及んだ、と週刊文春に報じられ、これを「事実無根」と否定して裁判のために芸能活動を休止している松本について、中田は、4月3日配信の「FRIDAY DIGITAL」記事で激白。松本の騒動について聞かれると、「僕はアイドル漫才師として世に出て、どれだけ女の子に応援してもらったか。相棒(編集部注:相方の中田ボタン)も遊び人だったけど、絶対客に手をつけなかった」「松本はアウトやて。本当に客、素人に手をつけたのであれば」と語ったのだ。
芸人であれば女性客を大切にするという意識を持つべきだと語る中田は「松本に師匠がいたら会社の処分以前に破門になってたと思う」とし、「素人の女の子と揉める。これはもう最低やわ」と一蹴。自身も多くの女性ファンを抱える身だったが、“手を出す”ことはせず、その理由を「彼女たちに育ててもらったからね」と説明。最近では、そうした「ファン食い」を「咎める師匠がいなくなってきた」とも警鐘を鳴らし、「お客さんを大事にせい」「女の子に嫌われる芸人は絶対売れへんからな。100%売れへんからな」「ファンの子は疑似恋愛してるねん。裏切ったらあかんやろ」などと持論を述べると、「そんな意識を持てない芸人はプロではなく素人や」と言い放った。
「松本の騒動をめぐっては、74歳の中田カウスと同世代の西川のりおも2月12日配信の『日刊ゲンダイDIGITAL』でも『公の場で答える義務があるんちゃうか』『不都合になったらダンマリはダメ』などと厳しい言葉を残しており、“擁護派”が大半の松本の後輩らとは、口をそろえたように対照的なスタンスとなっています。その背景には、吉本が舵を切った師匠制度からの脱却と、養成所ビジネスの成功への複雑な感情があるという見方があります。かつては芸人を目指すとなれば師匠に弟子入りし、生活をともにする中で業界のイロハから学んでいくというルートが主流でしたが、吉本は1982年より『吉本総合芸能学院(NSC)』を創立。その第1期生の看板スターこそがダウンタウン(松本、浜田雅功)で、彼らの躍進がお笑いの養成所というビジネスモデルを確立させ、吉本に大きな経済的成功をもたらしました。一方、その風潮に違和感を覚えていそうなのが、師匠制度で芸を磨いてきたカウスや西川で、今回の“松本に叱ってくれる師匠がいれば…“とのコメントからも、養成所制度への疑問を呈している心境が窺えます」(テレビ誌ライター)
“NSCの星”である松本は、まさに彼らにとって自分たちが旧世代の芸人であることを常に意識させられてしまうような存在なのかもしれない。
(木村慎吾)