SMAPが解散して8年がたった。2016年大みそかに袂を分かって、まだ一度も5人(木村拓哉、中居正広、稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾)がそろった再会は果たせていないが、メディアでグループ名は今でも出ることは周知の通り。語られるに足る伝説が多すぎるからだろう。
まず、音楽面では、02年に一度のコンサートツアーで115万人の観客を動員して、国内最多記録を達成。10年9月には、日本人史上初のコンサート通算観客動員数1000万人を突破した。トリプルミリオンソングとなった「世界に一つだけの花」を含めて、4曲も教科書に載った。「NHK紅白歌合戦」(NHK総合ほか)には通算23回出場して、トップバッターと大トリの両方を経験。中居は、白組司会の最年少記録(25歳)を持っている。
日本中から認められたトップアイドルグループだったが、ブレイク前には“汚れ仕事”も請け負った。特に、CDデビュー前にスタートした「アイドル共和国」(テレビ朝日系)では、先輩の光GENJI、同世代のTOKIO、20th Centuryと一緒だったため、生き残りに必死だった。テレビ誌ライターが振り返る。
「意外にも、メンバーで最初に女装したのは稲垣さん。当時16歳でした。『8時だヨ!全員集合』(TBS系)で人気だった志村けんさんと加藤茶さんの“ヒゲダンス”もやっていました。これは、水が入ったバケツを振り回すと、遠心力でこぼれないというものですが、稲垣さんは頭上でストップして、水をバッシャーンとかぶって、安定の笑いを取っていました」
アイドル定番のプール企画では、中居と木村が「丸太つかまり対決」で激突。両サイドから水鉄砲をぶつけられる中、ハイスピードで回る丸太につかまり、中居が勝利した。そのプールでは、当時のメンバー6人が大勢のファンから追いかけられ、逃げ切るというくだらないゲームもあった。
「今でもネタにされるのは、稲垣さんのジェットコースター事件です。『西武園ゆうえんち』のジェットコースターに全員で乗って、告知もしなければいけないのに、超怖がりの稲垣さんだけが『乗らない!』と断固拒否。結局5人が乗って、稲垣さんはスターターの役回りで『GO!』と号令をかけただけ。現場の雰囲気は最悪。楽屋ではケンカになったそうです」(前出・テレビ誌ライター)
96年にスタートした「SMAP×SMAP」(フジテレビ系)では、香取と流氷を取りに行ったり、草彅と槍ヶ岳に行って、小鑓の上で一緒にアルペンダンスを踊った稲垣。
旧ジャニーズアイドル史上もっとも体を張ったグループが、SMAPだったかもしれない。
(北村ともこ)