日差しを浴びる機会が少ない梅雨どきは、日焼け止めを塗らずに出かけたり、日傘を差さなかったりする人が多いかもしれません。でも、曇りや雨の日でも、真夏並みに紫外線が降り注がれているのをご存知でしょうか。
そこで今回は、梅雨時期の紫外線対策について、アンチエイジングのプロである虎ノ門中村クリニック神谷町院・医院長の中村康宏さん、同院の管理栄養士である田端さんと立木さんにレクチャーしていただきました。詳しくみていきましょう。
■梅雨時期にも紫外線対策は必要?
中村さんによると、紫外線は空から降り注ぐだけでなく、地面や水たまりから反射するため、雨の日でも注意が必要なんだとか。ちなみに、雨がやむと急に晴れ間が広がることがありますが、この晴れ間のタイミングにはとくに強い紫外線が反射するそうです。
対策としては雨や曇りの日にも日焼け止めを塗っておくのが理想で、汗や雨による日焼け止めなどの紫外線対策崩れも注意が必要なんだそうですよ。
■意外と知らないインナーケアとは?
外出時は日焼け止めを塗るのはもちろん、日傘や帽子、サングラスの利用や肌の露出を防ぐなどの対策も合わせて習慣化したいものです。
また、紫外線の中でもUV-Aはガラスやカーテンをある程度通過し、気が付かないうちに紫外線を浴びている可能性があるため、室内での予防も重要となるようです。UVカット機能のある窓ガラスやガラスシートを貼る、遮光レースカーテンを取り付けるなどして対策するのがオススメなんだそうです。
そして、身体の内側からのケアも心がけたいものです。高い抗酸化作用がある栄養素には、紫外線によって生じた活性酸素の働きを抑える効果があるため、日々の食事やサプリメントで積極的に摂取するとよいそうですよ。
■ビタミンC・ビタミンD・ビタミンACEの摂取術
とくに紫外線対策としてオススメの栄養素は、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンACEだといいます。それぞれ、どのように摂取すればよいか確認しておきましょう。
●ビタミンCの摂取術
抗酸化作用やメラニン生成を抑える働きがあるビタミンCは、野菜なら赤・黄ピーマンやゴーヤ、ブロッコリー、果物ならキウイフルーツやいちご、グレープフルーツやオレンジなどの柑橘類に多く含まれています。
でも、水に溶けやすく熱に弱いため、茹でる・煮るといった調理方法では栄養成分がおよそ半分以下に分解されてしまいます。野菜や果物は鮮度がよい状態のものを手早く水洗いし、なるべく生の状態で食べるのが肝心とか。
さらに、食後すぐに摂取すると食べ物と一緒にゆっくりと吸収されるため、空腹時よりも吸収率は上がるそう。サプリメントも、できるだけ吸収率のよい3食の食後に摂取するとよいそうですよ。
●ビタミンDの摂取術
紫外線対策で不足した栄養を補うビタミンDは、サンマや鮭、アジなど、魚類に比較的多く含まれます。また、しいたけは、紫外線に当たることでビタミンD2の「エルゴステロール」が増加するため、生のものに比べて多くのビタミンDを摂取できるそう。
●ビタミンACEの摂取術
ビタミンAとビタミンEは相性がよく、単体で摂取するよりも相乗効果でより多くの力を発揮するそう。そのため、近年は3種類を合わせた「ビタミンACE」が、美肌やアンチエイジングにオススメの栄養素として注目されているようです。
ビタミンAは、レバーやバター、ニンジンなどに含まれていますが、脂溶性のため、炒めものや揚げもの、ドレッシングといった油を使った調理方法がより効率的に摂取できるそう。
ビタミンEは、卵やアーモンドオリーブオイルなどに含まれ、生より炒めものなど油脂と一緒に摂取するほうが吸収率は上がるとか。また、ビタミンAやビタミンCと一緒に摂ることで抗酸化力アップにつながるそうですよ。
梅雨どきにもしっかりと紫外線対策を行い、栄養的にも万全の状態を整えて、将来の肌トラブルやシミなどの肌老化を防いでくださいね。