SUPER EIGHTの村上信五が昨年、農業関係の事業を手掛ける会社の会社員になっていたことは、あまり知られていない。「昨年」といえば、所属するSTARTO ENTERTAINMENTがジャニーズ事務所だったころに、創業者のジャニー喜多川氏(2019年に死去)の性加害問題が明るみになって、芸能界が大揺れ。グループ名に「ジャニ」が入っている関ジャニ∞は、SUPER EIGHTに変更せざるを得なかった。
その年に、「アイドル×サラリーマン」のパイオニアになっていたとあって、一時は事務所退所のⅩデーに向けた下準備かとも囁かれたが、そうではなさそうだ。きっかけは、自身のラジオ番組「村上信五くんと経済クン」(文化放送)にノウタス株式会社の高橋明久社長がゲスト出演したことだ。
同社が描くオンライン果物狩りや、農作業と温泉旅館でのワーケーションの組み合わせほか、農業のデジタルサービスに村上が共感。高橋社長と同じ大阪府高槻市出身で、同市で行う地域活性も兼ねたぶどうの生育が主な業務だ。まずは農業のベースを知るために、長野県へ足を運び、社員や農家たちとふれ、農家の担い手不足といった諸問題を学んだ。
「その時に真剣に、農業とエンタメの相互作用で互いを高めあっていきたいという気持ちが芽生えたそうです。先輩のTOKIOが長年にわたって『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)で農業に携わっていたことも背中を押したみたいです」(芸能ライター)
同社は、非常勤のサラリーマンという形で村上を迎え入れる。村上の肩書きは、「パープルMプロジェクト」リーダーだ。グループでのメンバーカラーがパーブルで、マスカットと村上の「M」で「パープルM」。それがネットニュースで広がると、知人から「富裕層に人気があるシンガポールで展開したら?」とアドバイスされて、実際にシンガポールに飛んだ。そして、輸出販売のルートを取り付け、早くも敏腕リーダーぶりを発揮した。
当然、STARTO社公認の副業。今ではプレゼン資料を自分で作り、人前で10分ほどスピーチもした。関ジャニ時代はドームツアーを周り、何万人の前でパフォーマンスしているだけに、人心掌握術はお手の物だ。
「会社は高槻市役所とも連携協定を締結。この先3年をめどにして、ぶどうの新種開発を目指し、ぶどう作りを高槻から世界へ発信するのが夢だそうです」(前出・芸能ライター)
STARTO社とエージェント契約、また退所を選ぶなど、タレントの働き方改革はさまざま。“農ドル”村上は、42歳にしてソロで独自の道を歩んでいる。
(北村ともこ)