KinKi Kidsの堂本光一が作・構成・演出・主演を務めるミュージカル「Endless SHOCK」が、11月で幕を下ろす。帝国劇場が来年2月に休館するため、ともに歩んだ「Endless SHOCK」も区切りをつける。
シリーズは2000年に、「MILLENNIUM SHOCK」としてスタート。当時21歳だった光一は、帝国劇場の史上最年少座長だった。今年4月には、演劇における代役なしの単独主演記録2000回を達成。24年間もの長きにわたって、光一のライフワークだった。
「日本一チケットが取れないミュージカル」と言われたまま、エンディングを迎える。公演時間は、休憩を挟んでおよそ3時間15分。大ぜり、盆、LEDビジョンなどを駆使し、歌やダンス、殺陣、和太鼓の演奏ありで盛りだくさん。フライングでは2階席のど真ん中に光一が着地する神席もあり、クライマックスで見せる階段落ちは圧巻の一言に尽きる。
「あの階段は22段、高さ4・84mです。これまでに落ちた長さを足すと、優に富士山の高さ3つ分は超えるそうです。もうひとつの見どころであるフライングのワイヤー操作は人力です。チームプレーは万全で、光一さんはスタッフに全幅の信頼を寄せている。こちらは870kgの重さまで耐えられるといいます」(演芸誌ライター)
日々肉体を消耗。楽屋にはベンチプレスなどが搬入されている。筋肉量はアップしても、公演中キャストはほぼ痩せてしまう。
「公演期間中、光一さんはルーティンを大事にしています。30分前に入浴するほか、ゲン担ぎの食事もこだわっているそうです。些細な楽しみもあって、ステージ上でキャストの立ち位置を示すバミリ(シール)には、光一さんが好きなF1のチェッカーフラッグのイラストが描かれているとか」(前出・演芸誌ライター)
いろんなことがあった。08年には“演劇界のアカデミー賞”とも言うべき「第33回 菊田一夫演劇大賞」を受賞。帝劇開場100周年となった11年の3月公演(800回記念公演)の幕間には、東日本大震災が発生した。観客と一部出演者は近くの皇居前広場へ避難し、その後の公演は中止となった。14年3月公演では、大道具のセットトラブルでキャストとスタッフが負傷する事故も起こった。
「SHOW MUST GO ON」。何があってもショーを続けなければならないを御旗に掲げ、板の上で生きる人間たちの希望でありつづけた「SHOCK」。永遠の幕が下りるまで、あと4カ月だ。
(北村ともこ)