愛称が「ハンカチ王子」といえば、現在、ニュース・情報番組「news every.」(日本テレビ系)でキャスターを務めるなどタレントとして活躍、日本ハムに籍を置いた元プロ野球選手の斎藤佑樹氏のことである。
2006年、早稲田実業高校野球部でエースとして出場した甲子園。マウンド上ズボンの後ろのポケットから取り出したハンカチで顔の汗を拭う姿が、斎藤氏の端正な顔立ちや育ちの良さそうなイメージとマッチして、一躍全国に広まる。「ハンカチ王子」は、同年の新語・流行語大賞のトップテンにエントリーされたほどだ。
野球解説者・宮本慎也氏のYouTubeチャンネル「解体慎書」に、斎藤氏と早実時代の同級生で、野球部のチームメイトだった、後藤貴司氏が出演したのは、7月29日付の動画。当時4番でキャプテンを務めた後藤氏は、ハンカチを最初に使うようになった早実野球部の選手は、斎藤氏ではないと明かした。
何でも、そもそも、ハンカチを使うようになったのは、早実野球部の半そでのユニホームの下から見える長袖のアンダーシャツが白だったことから、そのまま腕を顔に持って行ってシャツ布地のところで汗を拭うと汚れが目立ち、あとで洗濯する時もゴシゴシ洗わなければいけなくなるからだったとか。それゆえ、「ハンカチはそれぞれ個人で買って…」と野球部の風習になっていたそうだ。
「いちばん最初にハンカチを使い始めたのは誰でしたか?」と動画スタッフが問うと、「厳密に言うと、私の1個上の先輩なんですけど、その先輩がすごくきれい好きで、いろんな良い物を持ってて、プレーもスマートでかっこいい選手。それで、みんなが真似した感じですね」と後藤氏。
その憧れの先輩の名前を宮本氏が問うと、後藤氏はこんなふうに答えた。
「新佐古(しんさこ)さん(※新佐古剛人氏)っていう珍しい苗字の方で…」
「新佐古さんのお陰で、ハンカチ王子が生まれたってことですね、厳密に言うとね。もうちょっとね、世に出てもいいかなと…」と苦笑いした宮本氏だった。
斎藤氏は、06年夏の甲子園で早実の初優勝を牽引。10年ぶりの甲子園出場でもあった。もし、新佐古氏の代で甲子園に出ていたなら、「ハンカチ王子」の異名は新佐古氏のものだったかも…。
(所ひで/YouTubeライター)