マンガ原作ドラマで大きな失敗をした日本テレビに「その手があったか!」と驚かされた。10月スタートの新ドラマ「若草物語‐恋する姉妹と恋せぬ私‐」のことだ。
タイトルをご覧になればおわかりかと思うが、不朽の名作であるアメリカの小説家・ルイーザ・メイ・オルコットの「若草物語」を原案に、「もしもあの四姉妹が令和ニッポンに生きていたら…」と、舞台を現代の日本に置き換えて描かれる、社会派シスターフッドコメディーだという。
本家の「若草物語」と比較しやすいように紹介すると、長女のメグは本作だと町田恵(仁村紗和)、次女ジョーは涼(堀田真由)、三女ベスは衿(長濱ねる)、四女エイミーは芽(畑芽育)が演じる。
今作も本家と同じく主人公は次女の涼(堀田)だ。勝気で口が達者な次女の涼は、脚本家志望だったけれど、現在は訳あってドラマ制作会社で助監督として勤務している。
実は三女の衿(長濱)にまつわる出来事で、涼は脚本家になる夢を断念。現在、町田家には長女の恵、次女の涼、四女の芽の3人は同居しているが、三女の衿の姿はない。かつて涼と衿に何があったのかと気になるが、演技達者な三姉妹のわちゃわちゃもそれ以上に楽しみだ。
特に堀田は、思ったことをすぐ口にしてしまい、それが失敗を招いてしまう「口は災いの元」を地で行く涼というキャラを演じるというから、どこまで“難はあるけれど憎めないキャラ”に仕上げてくれるか、どうやって“町田家四姉妹”をまとめようとするのか早く見たい。
また、前々クール放送の「9ボーダー」(TBS系)でも三姉妹の末っ子を演じた畑が、今作ではどんな末っ子キャラを演じてくれるのかもワクワクする。四姉妹の物語ではあるものの、実質的には四女優の競い合いとなる今作で勝者となるのは誰だろうか。
(森山いま)