今夏放送された、奇しくも“シングルファーザー”をテーマとした連続ドラマは2作。
目黒蓮(Snow Man)主演の「海のはじまり」(フジテレビ系)は、全12話の世帯平均視聴率は7.61%(特別編を除く)。松本若菜主演の「西園寺さんは家事をしない」(TBS系)全11話の世帯平均視聴率は6.56%と、数字上では「海の―」に軍配があがった。
「海の―」は、月岡夏(目黒)が大学時代に交際していた南雲水季(古川琴音)と、水季の妊娠がきっかけとなって別れる。その6年後、堕胎していたはずの娘・海(泉谷星奈)がいたことを水季の葬式で知ることになり、海を引き取り育てていくという物語。
「西園寺さんは―」は、1年前に妻を病気で亡くした楠見俊直(松村北斗・SixTONES)が、会社の同僚で姉御肌の西園寺一妃(松本)と出会い、4歳の娘・ルカ(倉田瑛茉)の子育てに奮闘するというもの。
「海と水季と3人でいた思い出がない夏は、海に“水季はもういないんだ”と言い聞かせます。一方、親子3人で過ごした思い出のある俊直はルカに“ママいつも心の中にいる”と、教えます。夏は海と2人で暮らしていくことを選択しますが、俊直は、西園寺と結婚はしないままルカと3人で生きていくことを決断します。その理由は“一緒にいたいから”でした。この結末に行きつくまで、『海のはじまり』は、水季の両親から責められる“夏がかわいそう”“(夏の恋人だった)百瀬弥生(有村架純)があまりにも不憫”などと視聴者の間で話題になりました。ですが『西園寺さんは―』に寄せられた多くは“物語、登場人物、全てが優しいドラマ”“ノンストレスで良いドラマだった”“見終わって、いつもほっこりしました。大好きです”など、視聴後の意見は真逆になりました」(テレビ誌ライター)
結末はどちらも“家族じゃない他人の手を借りて子育てしたっていいじゃないか”という着地点と、海もルカも“死んでもママはいる”との思いを大切にしているということが救いだったようだ。