プレーシーズンマッチでの中足骨骨折により新チームでのスタートに出遅れた名門バイエルン・ミュンヘンの日本代表DF伊藤洋輝。10月末頃の復帰が予想される中、現地では彼の参戦に伴い「震えなければならないスター選手たち」がいると期待を持って報じられている。
今夏にドイツ・シュツットガルトから世界的ビッグクラブへとステップアップを遂げた伊藤が、ついにデビューまで数週間という段階に入った。ドイツ紙「Bild」によれば、すでに10月7日よりボールを扱う個人トレーニングを開始しており、リハビリは順調のようで、10月23日~31日の復帰が期待できるという。
そして、気になるのは、センターバック(CB)と左サイドバック(SB)をそつなくこなす伊藤が起用されるポジションが「どこになるのか」だ。
今季よりチームを指揮するベルギー人のヴァンサン・コンパニ監督は、伊藤を新たなCBと認識しているとされ、「Bild」でも、韓国代表CBキム・ミンジェが伊藤復帰に伴いサブ降格となる可能性を指摘している。
「『Bild』は『バイエルンのスター選手たちが伊藤の復帰によって震えなければならない』と銘打ち、日本代表DFの加入が先発選手5人の座を脅かす展開になると予想。中でもその先発から引きずり降ろされる選手の筆頭として、再三にわたって名前が挙がるのが、伊藤と同じ左CBでプレーするキムです。『Bild』も伊藤の存在を『キムにとって最もデンジャラスな選手』だとし、現時点では、守備時の強度やミスの少なさで“伊藤がキムを上回っている”と紹介。さらに左SBのラファエル・ゲレイロや、CBエリック・ダイアー、ダヨ・ウパメカノなどの守備の名手も、復調した伊藤に少なからず影響を受ける可能性があると伝えると、当代の世界最高峰左SBアルフォンソ・デイビスについても『日本人選手からプレッシャーを与えられるだろう』と綴っています。ブンデスリーガで歴代最多32回の優勝を誇る絶対的王者のバイエルンにあって、これだけ期待される選手は珍しく、伊藤にとって10月以降は今後のキャリアに関わる正念場となることは間違いないでしょう」(スポーツライター)
今季は第6節を終えた時点で4勝2分で首位を走り、失点も7とまずまずの戦績を収めているバイエルン。伊藤のデビュー後にこの数字がどのように変動していくかで、クラブでの立ち位置もおのずと固まってくることになりそうだ。
(木村慎吾)