サッカーへの愛情が伝わる2発だった。元日本代表MFでブータン1部パロFCと短期契約を結んでいる本田圭佑が10月20日、リーグ最終節のティンプーFC戦で先発フル出場し、2ゴールを決めて2-2のドローに持ち込んでいる。
8月のチラン戦以来、同リーグにおける2試合目の出場となった本田は、全盛期を彷彿とさせる最前線での貪欲な姿勢を見せると、前半34分に得たPKキッカーを担当。ゴール右隅へ冷静に流し込み、1-2とリードされて迎えた後半46分のロスタイムにも、クロスをヘディングで合わせて劇的な同点弾を奪取した。
すでにリーグ制覇が決まっていたパロFCだったが、最終戦の勝ち点1確保に貢献する勝負強さはさすがのひと言。試合後にはシーズン終了のセレモニーに参加し、チームメイトとともに優勝カップを掲げると、同日のXでは「ギリギリでしたが、何とかゴールを決めることができました。応援してくれた皆さん、ありがとうございました!」と10カ国目でのゴールをファンに報告している。
「本田といえば、2005年にプロデビューしたJ1・名古屋グランパスを皮切りにオランダ、ロシア、イタリア、メキシコ、オーストラリア、ブラジル、アゼルバイジャン、リトアニアのトップリーグを渡り歩き、その9カ国全てで得点を記録。今回、2013年に国連『世界幸福度ランキング』世界8位となり『幸せの国』として知られるようになったブータンでの2発によって、10カ国の1部リーグでの得点という“前人未到の記録”を達成した形です。将来的には“各国1部リーグでの得点”でギネス記録を狙う野望があることも明かしたことがある本田は、シーズンを通してチームに在籍していない数試合単位での短期契約となったため、どういった記録の扱いになるかは不透明ですが、サポーターからは飽くなきサッカーへの情熱にリスペクトを示す反応が並んでおり、『何が凄いって標高2400mの地でフル出場してるところ。日頃からトレーニングしてないと無理でしょう』『この人ほどサッカーを愛している人はいないかもしれない』『本当にすごい行動力』などの声が上がっています」(スポーツライター)
なお、本田は今回のゴールにより、かつてセレッソ大阪でもプレーし、2010年南アフリカW杯で得点王とMVPに輝いた元ウルグアイ代表FWディエゴ・フォルランの9カ国での1部リーグ得点記録を超えたと言っていいかもしれない。
ギネスから正式な記録として認められれば、本田のキャリアに新たな称号が加わることになるだろう。
(木村慎吾)