いつの間にかバンド名の最後に付いていた「。」がなくなっていた「ゲスの極み乙女」のドラマー「ほな・いこか」が、女優として引っ張りだこになっている。正確に言えば、女優としては「さとうほなみ」として活動しているから、引っ張りだこになっているのは「さとう」なのだが。
放送中の菜々緒主演ドラマ「無能の鷹」(テレビ朝日系)では、出世欲が旺盛で社内のあらゆる情報を収集することが趣味の「1人CIA」と呼ばれる鵜飼朱音をガサツな感じで演じ、同じく放送中の松本若菜主演ドラマ「わたしの宝物」(フジテレビ系)では冬月(深澤辰哉)への好意から爆死した別人を冬月だと大ウソをつく水木莉紗をイヤ~な感じで演じている。
同クールに連ドラを掛け持ちするということは、売れっ子であることは確かなのだが、どうもそのことにイラッとしてしまうのだ。
いや、本音を言おう。バンドのメインである川谷絵音がガチゲスだったことで音楽活動がほとんどできないからって、今年7月13日放送の「二軒目どうする?」(テレビ東京系)で「小学生の頃からお芝居がしたかった」などとコメントするのは「後出しジャンケンみたいでずるい」と思う気持ちが止められないのだ。
ほかの女優があまり演じたがらない「女に嫌われる女」ばかりを演じていることも「ずるい」という感情を呼び起こす。けれど重宝がられることも理解できるから、心を乱されてしまうのだ。
特に「わたしの宝物」では、これから“イヤ~な女”をどんどん押し出してきそうなキャラなので、注目度は今以上に上がると思う。そんな予想を私にさせてしまうことがまた、ほな・いこか=さとうほなみは本当にずるい。ずるいから目が離せない。ずっちーな、もう!
(森山いま)