“おむすび”のように大きく、とは言わないが、「橋本環奈」のようなかわいいデカ目に誰もがあこがれる時代―。そんな中、「点眼するだけでまるで二重手術をしたかのようにデカ目になる」という“夢のような目薬”が日本に上陸したとの噂が広がっている。
この目薬、名前は「ピロカルピン」。眼瞼下垂の治療薬として海外で使われる成分で、一時的に瞼を引き上げる効果が期待できるというのだ。使用後約5時間、瞳孔を縮小させることで、驚くほどパッチリした目元が演出できるとか。結論から言えば、ピロカルピン自体は、日本でも以前から緑内障の治療薬などにも使用されている成分だ。しかし、本当にそんな魔法のような効果があるのか。
疑念を抱きつつ、「R.O.clinic(アールオークリニック)」(東京・渋谷区)の呂秀彦院長に直撃取材すると、「確かにアメリカでは老視の治療としてピロカルピン点眼薬が処方されていますが、瞳孔が小さくなって目に入る光が少なくなるため、昼間でも暗く見えるリスクがあり、特に夜間の視界や車の運転には注意が必要です。また、若い方や健常者への安易な処方は、将来的な視野障害などの副作用も懸念されます」と、冷静に語る。
現代社会はスマホやPCを使わない日はなく、目は酷使されるばかり。寝不足の日には、まぶたが重く、目が充血することも多い。そんな時、一瞬で「アニメのようなドールアイ」に変身できるなら試してみたい気持ちはわかるが…。呂院長はこう続ける。
「人によっては一時的に黒目が大きく見えることは考えられますが、効果はあくまで一時的。安易に使用するのはおすすめできません」
それにしても、世に「美への追求心」のタネは尽きまじ、と言ったところか。