スペースXやテスラを率いる世界的実業家イーロン・マスク氏がイングランドの名門サッカークラブを買収し、“ドリームチーム”を作り上げるかもしれない。
マスク氏の父であるエロール・マスク氏が1月7日(現地時間)、英国のラジオ番組「Radio Times」に出演。買収チームの有力候補にリヴァプールの名前が挙がっていることについて聞かれると、「その話題についてはコメントできないよ。値段が上がってしまうからね」と話しつつ、「彼にはその願いがある」「誰だってそう思うはずだ。私もそうだよ」「イーロンの祖母はリヴァプールで生まれた。我々にはリヴァプールに親戚がいるし、(同地出身の)ビートルズのメンバーとも付き合いがある。だから僕らはリヴァプールと縁があるんだ」などと答えている。
アメリカの経済誌「フォーブス」によれば、リヴァプールの資産価値は43億ポンド(約8500億円)とされ、同クラブのオーナーは現時点で売却の意思を示していないが、マスク氏のオファーは72億ユーロ(約1兆1740億円)にも上る可能性があるという。なお、マスク氏の総資産は4000億ユーロ(約65兆円)と報じられている。
そうした中、サッカーファンが気になるのは、もしマスク氏がオーナーになった場合、どのようなドリームチームを完成させてくれるのかという点だ。
現在も、オランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイクやアルゼンチン代表MFアレクシス・マック・アリスター、そして、日本代表MF遠藤航らスター選手を擁するリヴァプールだが、英国紙「ミラー」はマスク氏が抱く壮大なプロジェクトの可能性を伝えている。
「2003年にロシアの石油王ロマン・アブラモビッチ氏が同じイングランドのチェルシーを買収した際も、元アルゼンチン代表FWエルナン・クレスポやMFファン・セバスチャン・ベロン、元フランス代表MFクロード・マケレレといったスター選手をかき集めましたが、今回の『ミラー』による予測はそれを遥かに上回る規模です。マスク氏のターゲットとなりそうな選手は、レアル・マドリードに所属する世界最強FWキリアン・エムバペ、ニューカッスルのスウェーデン代表FWアレクサンドル・イサク、アーセナルが誇る守備の要ウィリアン・サリバ、そして、17歳にしてバルセロナの攻撃陣を牽引するスペイン代表FWラミン・ヤマルという面々。4人の市場価値は総額で800億円を超えますが、65兆円の資産を誇るマスク氏には“安い買い物”なのかもしれません。また、4人の候補者のうち3人が最前線のアタッカーなのは、長年リヴァプールの攻撃を支えてきたエジプト代表FWモハメド・サラーの今季限りでの退団が確実視されていることと無関係ではないでしょう。マスク氏の買収によってガラリとチームの顔触れが一新される可能性もありますね」(スポーツライター)
目下、プレミアリーグで首位を独走し、ここ数年で最も素晴らしいシーズンスタートを切っているリヴァプール。マスク氏の動向が今後の戦いに向けて吉と出るか凶と出るかは分からないが、買収が実現した暁には、サッカー界に強烈な新風を巻き起こすことは間違いないだろう。
(木村慎吾)