NHKの大河ドラマ「べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～」が話題を集めている。貸本屋から身を興して書籍の編集・出版業で活躍し、「江戸のメディア王」と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎を俳優の横浜流星が演じている。蔦重がいかにして日本のポップカルチャーの礎を築いたかを描く痛快エンターテインメントドラマだ。
第1話が歴代大河の最低視聴率を記録するなど苦戦を強いられているが、これまでの大河作品にないポップな演出は若い世代からの支持を集め、意外にもNHKプラスでは配信全ドラマの中で最多視聴数を記録しているのだ。
「現在のNHKは視聴率よりNHKプラスの会員を増やすことに熱心。特にドラマは、NHKプラスでどれだけ再生されたかを重視している。NHKプラスはテレビを見ている年代よりずっと若い世代が会員になっているので、再生数が多いということはすなわち、若年層が見ているということになります。『べらぼう』はメディアでは低視聴率と叩かれているが、案外NHK内では成功とみなされています」（スポーツ紙記者）
再生数を伸ばした功労者は主演の横浜流星と花魁・花の井／五代目瀬川を演じる小芝風花だ。花の井は、吉原の花魁として毎回あでやかな和装姿を披露しているが、この小芝の花魁姿が、男性だけでなく女性からも高い支持を得ている。第2話では、花魁ながら男装を披露して話題となった。
「花の井は、男色家の平賀源内（安田顕）を相手にするために、男装をして登場。源内の思い人『二代目 瀬川菊之丞』に扮して、美しい舞を披露するシーンを見せました。キリッとした小芝さんのビジュアルに男装がマッチしていて、SNSでは女性視聴者から『カッコいい』という声も。花魁姿も毎回豪華な衣装で美しく、普段着の質素な姿もかわいい。小芝さんだけ衣装がコロコロと変わり、江戸時代のコスプレイヤーのようだと人気になっています」（テレビ局関係者）
昨年末、長く在籍した所属事務所を退所し、松坂桃李や菅田将暉、趣里など主演級の俳優がそろう「トップコート」に移籍した小芝。「べらぼう」での活躍をキッカケに、さらに人気を高めていきそうだ。
（渡邊伸明）
