1999年放送のドラマ「リング~最終章~」「らせん」(フジテレビ系)で「貞子」こと、おそらく日本で最も有名な「怨霊」を演じた28歳の頃から、女優としての仕事がコンスタントに入るようになったという木村多江。
木村は日本有数の「お嬢様学校」として知られている白百合学園高校を卒業後、昭和音楽芸術学院ミュージカル科に進み女優の道を目指し、在学中から24歳までは舞台で活動していたが、21歳の時に父親が急逝。アルバイトを掛け持ちして家計を助けていたことはすでに多くの人がご存知かもしれない。
20代後半の頃は睡眠時間1~2時間という生活をしていたというから、貞子を演じていた頃はちょうどその頃にあたる。3月1日放送の「土スタ」(NHK)に生出演した木村は、あの日本中を震撼させた「井戸から上がってくる貞子」のシーンは、日曜日の家族連れがたくさんいる公園の端に「井戸をポンと置いて『ここから出てください』って」言われて撮影したと笑いながら当時を振り返り、MCの近藤春菜やロッチ・コカドケンタロウを驚かせた。
しかしそれより驚かされたのが、ウィキペディアには掲載されていない特技として公表された「玉乗り」だ。近藤やコカドが「あの、(自分たちが)知ってる“玉乗り”ですか?」「ピエロとかが乗ってる?」などと確認すると、木村は「知ってる“玉乗り”ですね」と返答しながら笑顔を見せ、「もっとほかに特技あればね、違うことを書くんですけどなくてね」とこれまた楽しそうな笑顔を見せた。
木村によると、20代の舞台をやっていた頃にぜんぜん違う2作品なのに続けて「玉乗り」をする役を演じることがあったそう。どちらの作品でも2カ月ほど「玉乗り」をし続け、合計4か月ほど「玉乗り」をしていたら得意になったとのことだ。
「その頃は玉の上でジャグリングしたりとか。でも今はできないですけど、乗るぐらいはできると思うんですけど」と言った木村に対し、近藤とコカドは「“乗るぐらいは”って!すごい!」などと驚いていた。さらに「大きいの(玉)は意外に動かないんですよ。小さいの(玉)がすっごく難しいんですよ。クルックル、クルックル動いちゃうから。バランスのとり方が(難しい)。(練習では)必死な顔しているけれども、舞台では普通の顔してやらなきゃいけないから、結構、1カ月、本番に入るまでの1カ月、ずーっと練習し続けて。放課後って言うか、稽古が終わった後も、1人で練習したりしてました」と明かしていたから、バイトをしながら女優をしていた頃は、まさに体当たりの連続だったのだろう。
木村が舞台に立っているところを観てみたかった。
(森山いま)