そろそろ終盤に近付いてきた「おとしね」こと安達祐実、相武紗季、磯山さやかがトリプル主演するドラマ「夫よ、死んでくれないか」(テレビ東京系)。一見するとミステリードラマに思えるが、実は結婚の理想と現実や、人間の「顔」は1つでなく、時と場合によっていくつもあることを具体的な例を挙げながら教えてくれているように思えてならない。
5月26日深夜放送の第8話終盤では、麻矢(安達祐実)が夫・光博(竹財輝之助)の不倫相手を友里香(磯山)ではないかと疑い始めていたが、それは違うと思っている。おそらく光博の不倫相手は、麻矢が先日まで働いていた「熊部エステート」の後輩・鳥居香奈(松浦りょう)ではないだろうか。麻矢に対する「憧れ」の気持ちがねじれた結果、光博と不倫。光博の「失踪」を演出しながら自分の部屋にかくまっているのではないかと思う。
また6月2日深夜放送の第9話予告では、麻矢、友里香、璃子(相武)の行きつけのバーである「FREEDOM」で知り合った千田慎一(久保田悠来)が麻矢に対して、「逃げる、か…。できるのかな」と薄笑いを浮かべるような口元のアップが映し出されるシーンがあったため、もしや千田は15年前の「あの事件」の関係者ではないかと睨んでいる。
正当防衛とはいえ、麻矢が熊の木彫り人形で頭を殴って殺害してしまった男の知り合いか、もう1人いた逃げた男の知り合いか、その逃げた男が電話で「ちゃんとやってくださいよ。はい、ああ、予定通りです」と話していた相手か、この3人のうちの誰か=千田であるように思えてならない。
3人の妻たちは誰もが最後に離婚を選択しそうだが、その予想にたどり着くまでのプロセスがどうなるのか、とても楽しみだ。
(森山いま)