トム・クルーズ主演の映画「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」が日米で絶好調なスタートを切っている。アメリカでは公開からわずか4日で約114億円を記録、日本でも先行上映も含めると動員数は53万人を突破し、興行収入は約8億4900万円に達している。
シリーズ最高興収を狙える滑り出しとなったことで、トム・クルーズも自身のSNSで「今週末は、まさに歴史に残る出来事でした!」と大興奮。スタッフやファンに感謝のツイートを投稿している。
そんな中、思わぬところで注目されているのが“日本の母”としてトムに慕われる字幕翻訳界の“巨匠”戸田奈津子氏の訳しぶりである。
トムと戸田氏の絆は深く、その付き合いは30年以上に及ぶ。5月に行われた来日記者会見では、「少しだけお時間をいただけるなら…」と切り出し、「戸田奈津子さん、ありがとうございます!」とサプライズで感謝の言葉を贈った場面もあった。
「2人は同じ7月3日生まれという縁もあり、トムは毎年バラを贈っているといいます。トムのスキマ時間に2人で3時間お茶をしたこともあるなど、“仕事仲間”を超えた関係性を築いています」(映画ライター)
だが、今回の新作ではそんな戸田氏の字幕がネット上でちょっとした物議を醸している。原因は「エンティティ(Entity)」というキーワードの訳し方だ。
「戸田氏は作中に何度も登場する敵AIの呼称を字幕上ほぼすべて『それ』と訳しているんです。複雑な内容かつ169分という非常に長い上映時間だっただけに、観客はただでさえアイマイな存在である敵をイメージしにくく、違和感を覚えた人が多かったようです」(前出・映画ライター)
映画サイトのレビュー欄にも「めちゃくちゃ分かりづらかった」「“それ”のせいで所どころ字幕が意味不明になってた」「戸田奈津子先生の呪いがつきまとう、ずっと“それ”“それ”“それ”“それ”“それ”」「岡田彰布の“あれ”に影響を受けたのか」といった不満が書き込まれている。
「戸田氏は固有名詞を意訳することが多く、映画ファンからは『なっち語』とヤユされることも。今回もそれが飛び出した格好です」(前出・映画ライター)
もっとも信頼関係が響子な戸田氏の字幕だけに、トムも「それ」騒動を笑って受け流しているに違いない。