16年春に競技生活を引退し、トヨタ自動車の社員としての生活に専念すると宣言し、リンクから去った元フィギュアスケート選手の小塚崇彦。「良い指導者になれるのに」「ショーで滑ってほしい」など完全引退を惜しむ声があるなか、あえて滑らないという選択をしたが、10カ月の会社員生活を経て、このほど「フィギュアスケートのために恩返しをしたい」と氷上に帰ってくる決意をしたという。
「引退といっても二足のわらじで、アイスショーなどで滑る選手も少なくないなか、真面目な小塚選手は出るからにはいい演技をしないといけない、そのためには毎日の練習が必要で、サラリーマンをしながらでは不可能だと、きっぱり辞めてしまったんです。トヨタでは強化運動部の恩返し活動という部門で、選手を派遣するイベントなどの仕事に携わっていたのですが、そのイベントを通じていろいろな競技に触れ、全国各地で小塚のファンだった人たちと触れ合うことで、どれだけたくさんの人たちが競技を支えているのか身をもって体験したのだそうです。自分もこうして支えてもらっていたこと、自分も思っていた以上に皆から愛され応援されていたのにも気づかされた、と」(スポーツライター)
現役時代、若い選手たちのことも優しく見守って導いていた小塚選手だけに、日本のスケート界のさらなる発展のために活躍してくれるに違いない。
(芝公子)