【元日本代表監督】トルシエ氏が北中米W杯に挑むサムライブルーの“ノルマ“を語った!「現実を見ると…」
サッカー日本代表に初めてW杯グループステージ突破という奇跡をもたらしたフィリップ・トルシエ氏が、北中米W杯に挑むサムライブルーの“ノルマ”について言及している。
大阪のパナソニックスタジアム吹田では、さる6月27日にフランス「リーグ・アン(仏男子サッカーの最上位プロリーグ)」のASモナコレジェンズと日本代表レジェンズチームによるチャリティーマッチが開催され、トルシエ氏が“ジャパンフレンズ”の監督を務めた。
同チームには本田圭佑氏や名波浩氏、松井大輔氏らが顔をそろえる豪華な構成となり、試合後には、2002年の日韓W杯で日本を指揮したトルシエ氏がサポーターに向けての愛あるコメントを残している。
「私が日本代表を率いたのは25年前ですが、昨日のことのように思い出されます」と切り出すと、W杯でベスト16止まりとなっているサムライブルーの戦いぶりについて、「日本代表は自分が監督だった時のW杯ベスト16をまだ突破していないですが、必ず越えなきゃいけない。そのことは(現代表コーチの)名波氏にも注文をつけました。今までも、2018年のロシアW杯のベルギー戦だとか、惜しい試合はいくつかありましたけど、どこかに目に見えない壁があるのでしょう。それを何としてでも突破してほしい」と、最近の日本の奮闘にも注視してくれていることを示唆した。
また、現在の森保一監督率いる代表チームが、来年開催の北中米大会で優勝を目標にしていることについては「少し高すぎるハードル」だとし、トルシエ氏の見解としては「現実を見ると、やはりベスト8が最初の壁。今の選手や能力、そして、チーム全体の力を見れば、まずはそこが最初のノルマになってくるでしょうね」「それを越えるために何をすべきかを徹底的に追求してほしい」と述べた。
「トルシエジャパンでは、開催国という地の利があったものの、ベルギー、ロシア、チュニジアらクセのある強豪国を相手に2勝1分という戦績を収め、最後はベスト16でトルコに敗れてしまいました。当時のチームには、海外クラブで活躍していたような選手は、ほぼ中田英寿氏ただ1人という状況で、日韓大会を皮切りに中村俊輔氏のイタリア挑戦が始まるなど、徐々に海外組が増えていった印象です。現在では、スタメンだけでなくサブの選手も全員が海外で主力として活躍する面々となり、チームとしての充実度はこの20年で飛躍的に向上。一方で、あと少しのところでベスト8の光景を見ることができていないのは日本サッカー界の大きな課題であり、トルシエ氏の言う通り、まずは優勝よりも、ベスト16の突破を現実的に捉えていく必要がありますね」(スポーツライター)
レアル・ソシエダで全盛期ともいえる活躍ぶりを披露するMF久保建英や、イングランドの地で有数のドリブラーとして君臨するMF三笘薫、そして、名門リヴァプールでプレミアリーグ優勝という経験を手にしたMF遠藤航。
役者はそろっているだけに、来年はいよいよ「前人未到の領域」へと歩みを進めてほしいところだ。
(木村慎吾)
