【いつか、無重力の宙で】生瀬勝久が“ただのタクシー運転手”で終わるワケがなかった最終回に「なるほど!」
                        
                    
高校時代に「天文部」だった仕事を持っている30代女性4人が、超小型の人工衛星を打ち上げるという夢を実現させるために頑張っていた、見ていて気持ちのいいNHK夜ドラ「いつか、無重力の宙で」が、10月30日に最終回を迎えてしまった。
望月飛鳥(木竜麻生)、日比野ひかり(森田望智)、水原周(片山友希)、木内晴子(伊藤万理華)の4人が集まっていたファミレス「ロメット」で、いつもみんなの会話を聞いていたような気持ちになっていたから、人工衛星が無事に宇宙へと旅立った時は嬉しかったし、人工衛星が宇宙へと旅立つ前に、血液のガンで命を落としてしまったひかり(森田)の声が、宇宙から地球が見えた時に聞こえてきた声には、そうなる展開を予想していたものの、涙がぽろぽろとこぼれてきた。
このドラマの最も素晴らしかったところは、登場人物全員が放っていたリアリティーに他ならないと思う。
ひかりが人工衛星を飛ばす前に亡くなってしまうだろうことは、第2話の時点でわかっていた。叡明大学で宇宙工学を学ぶ「人と関わることは時間の無駄」と思っている節のある、ファミレス「ロメット」でバイトしている金澤彗(奥平大兼)が、必ず30代の「お姉さんたち」に手を貸してしまうことも、人工衛星開発にのめり込んでしまうこともわかっていた。予想通りに展開するストーリーだからこそ、安心して見ていられたとも言えなくもない。
しかし最終回で、飛鳥(麻生)および飛鳥たちが作中で何度も乗っていた、タクシーの運転手をしている舎人五郎(生瀬勝久)が、スーツ姿で乗り込んできた飛鳥を見て「実はね、私、あの…2008年に募集してた宇宙飛行士選抜試験。あれ、受けてたんですよ。実は」と話し始めたことには不意を衝かれた。まさかこんなところで「オチ」がやって来るとは思わなかった。完全に油断していた時の告白には本当に驚かされたが、これもまた、見ていて気持ちがよかった。
11月3日にスタートするNHK夜ドラ、真造圭吾氏による同名マンガ原作「ひらやすみ」もかなり期待している。気持ちのいいドラマが続くと嬉しいな。
(森山いま)
            
        
                
                                
                                
                                
                                    
                                    
                                    
                                
                                
                                
                                
                                
                            
                                                                    
                                                                    
                                                                    
                                                                    
                                                                    