【テミスの不確かな法廷】恒松祐里 確かな演技力の高さを視聴者に納得させた“頭でっかちの風紀委員・落合”の変化
2月3日放送の「テミスの不確かな法廷」(NHK)第5話で、恒松祐里演じる“頭でっかちの風紀委員”のようなエリート判事補・落合知佳の「気付き」を繊細に演じ、その演技力の高さが話題になっているようだ。
今作は2024年10月期に放送された「宙わたる教室」(NHK)と同じ制作チームが手掛けているそうだが、ここまで役者の魅力を引き出してくれる制作チームだと、出演したがる役者が大勢いるのではないだろうか。しかも、若い役者のほとばしる演技に対する熱情を、上手に冷やしてスッと視聴者に伝えることがなんて上手なんだろうと、この日の恒松を見ながら拍手してしまった。
冷静かつ理論的な思考を身上とする落合(恒松)は、提出された書証=文書による証拠を優先し、人証=訴訟の当事者ではない第三者(目撃者や関係者など)による証言を確かめる必要がないと判断した事案は、書証だけでジャッジを下し、処理券数を上げてきた。しかし第5話では、自分が書証だけでジャッジを下した事案で1人の少女・来生春(石田莉子)の人生が大きく左右されてしまったことに直面。人証の大事さに気付くという、ヒューマニズムを問うストーリーだった。
いつも眉間にしわを寄せて堅い表情を見せていた落合が、柔らかな表情で春(石田)に接するシーンでは、見ているこちらまで顔がゆるんでしまった。この春を演じた石田莉子という来月20歳になる新人女優は、おそらく今後もNHKにかわいがってもらえることだろう。なぜなら、かつて恒松も10代の頃、NHK朝ドラや大河ドラマで光る演技力を発揮して、現在に至っているからだ。
役者が輝いて見えるドラマは必ずおもしろい。今週の第5話では恒松と石田、前週の第4話では遠藤憲一がピカピカに光っていた。第6話は1週空いて2月24日放送で、安堂判事補(松山ケンイチ)は、父で裁判官の結城英俊(小木茂光)が過去に有罪判決を下した事案の再審請求をすることになりそうだ。
松ケンがピカピカに光りそうな第6話が待ちきれない。
(森山いま)
