元SMAPの中居正広と稲垣吾郎は30年ほど前、東京・原宿にあったジャニーズ合宿所に住んでいた。
2人が入居する前にはたのきんトリオの田原俊彦、野村義男、近藤真彦のほか、男闘呼組の成田昭次、高橋一也、岡本健一、前田耕陽、さらに少年隊の植草克秀、錦織一清、東山紀之らが住んでおり、光GENJIの諸星和己が転がり込んでからは、連日、女性ファンであふれていた。
中居が入居したのは、そんなスターたちが巣立った後。広い空間でTOKIO城島茂と2人となり、その後、稲垣が入寮した。当時からジャニーズを取材していたアイドル誌の編集者は、こう話す。
「合宿所は未成年者ばかりなので、事務所からしょっちゅう確認の電話が入るんです。『○○くんは、ちゃんといる?』という抜き打ちチェックです。ある日、稲垣の在寮を確認する連絡が入ったのですが、稲垣は好きな女の子と外泊していました。すると中居は彼をかばおうと『いますよ。今、風呂に入ってるかな』と応答してその場を凌いだそうです(笑)」
ウソはよくないが仲間をフォローしあうのも共同生活ではとても大事。さすがは男気ある中居だ。ところが稲垣は違った。
「今度は中居が不在の日にチェックが入りました。でも、電話を取った稲垣は、あっさり『いません』と答えてしまったんです。これによってスタッフの間で“稲垣は正直者で、中居は嘘つき”という認識が広まってしまった(笑)。友だち思いの中居は稲垣に裏切られ、スタッフからの信頼もなくしたカッコウに‥‥。なんとも、かわいそうです」
そんな出来事を乗り越え、後に2人はSMAPとして絆を深めていく。今、そんな10代の頃の思い出話を口にする2人の姿が見られないのは、なんとも寂しい限りだ。
(北村ともこ)