4月20日から開催される「世界フィギュアスケート国別対抗戦」。09年から始まったこの大会だが、五輪の団体戦創設のきっかけになったとも言われている。出場する国はISU(国際スケート連盟)の世界ランキングのポイント上位6カ国で、17年の日本以外の出場国はアメリカ、ロシア、中国、フランス、カナダ。シングルで男女2名ずつ、ペア1組、アイスダンス1組でチーム戦を行う。
「日本では、もちろん羽生結弦選手を中心としたメンバー構成になるでしょう。しかし、シングルばかり注目されますが、世界的に見るとアイスダンスもペアも人気の種目です。注目はアイスダンス。一昨年の国別対抗戦でクリス・リード選手とペアを組んでいた姉のキャシー・リード選手が引退し、昨シーズンからクリスが新しい相手と組んで競技を続けています。その相手が村元哉中(かな)選手。もともとはシングルの選手でしたが、14年から15年にかけてのシーズンからアイスダンスに転向しました。シングル時代もスケーティングやスピンに定評がありましたが、ジャンプが得意ではないため目立った成績は残せずにいました。そんな時にアイスダンスのトライアウトに参加し、すっかり虜になったそうです」(スポーツライター)
とはいえ、各国のペアの選手はジュニア時代からペアとなるべく練習を重ねてきている強豪ぞろい。渡り合うには経験が足りない。
「もちろん、簡単なことではありません。しかし、フリーの技術点が転向後の2年で着実に進化しています。6時間にもおよぶ氷上練習や体幹を鍛える1時間のトレーニング、世界のトップ選手の映像研究など、たゆまぬ努力で経験不足をカバーしようとしているのです」(前出・スポーツライター)
成長著しい2人の滑りは要チェックだ。
(芝公子)