女優の佐々木希と、4月にゴールインしたアンジャッシュ・渡部建。児嶋一哉とのコンビ歴は24年におよび、互いに人生の半分以上、芸人だ。当然、不遇時代はある。
そのときに食わせてもらっていたのが、X-GUN(バツグン)の西尾季隆と、さがね正裕。“ボキャブラブーム”のころは、アイドル並の人気を博していた2人組だ。そんな彼らとの関係を、当時お笑い雑誌の編集長をしていたフリーライターが話す。
「児嶋は西尾に、渡部はさがねにかわいがってもらっていました。児嶋の名を広めた“大島!”“児嶋だよっ!”のやり取りは、西尾や今のピコ太郎こと古坂大魔王がライブでやっていたもの。それが今になって復活したんです」
アンジャッシュが「爆笑オンエアバトル」(NHK)の仕事ぐらいしかなかったころ、児嶋は引退を考えた。そのとき、当時の彼女で、現在の妻と一緒に相談した相手が西尾。そこで西尾が留意したことで、アンジャッシュは解散を免れた。
一方のさがねは、渡部の生活の面倒まで見ていた。さがねと一緒にいるときは、渡部は1円も使うことがなかったという。「キムタクに似てますね」といえば、服を買ってくれ、夜になると酒をご馳走してくれた。誕生日には、リクエストを聞いてプレゼントもしてくれたという。
「さがねがスゴいのは、同じことを海砂利水魚(くりぃむしちゅー)時代の有田哲平や、アンタッチャブルの山崎弘也も同じように面倒を見ていたこと。この恩を忘れていない3人は、立場が逆転した今、さがねに恩返しをしている真っ最中。一緒にいるときは、一銭も出させません」(前出・フリーライター)。
アンジャ、くりぃむ、ザキヤマ。彼らが今、売れっ子でいられるのは、ボキャブラ人気から転落したアラフィフ芸人のおかげだったのだ。
(北村ともこ)