団菊祭五月大歌舞伎で、尾上菊五郎の娘である寺島しのぶの息子、眞秀君が歌舞伎デビューを果たした。常々「男に生まれて歌舞伎がしたかった」と公言してきた寺島の息子であることに加え、夫がフランス人で、公式には歌舞伎界初のハーフの役者が誕生することもあり、話題になっている。
「寺島は、弟の菊之助が歌舞伎で初舞台を踏んだ時に、家が弟を中心に回り始め、自分が舞台に立てないこともあり、疎外感を感じて反発していました。今でこそ女優として大成していますが、学生時代までは、急に『海外にいる』と電話するなど、両親を困らせてきたそうです」(女性誌記者)
女優の太地喜和子の勧めで女優の道に進んだという寺島だが、歌舞伎の舞台に立ちたいという子どもの頃からの夢を息子で叶えたということだろう。
「菊五郎は昨年、音羽屋の大名跡『梅幸』を、ゆくゆくは眞秀君に継がせると口を滑らせて、男系が継承することが基本の歌舞伎界で騒動となりました。親心として、梨園の風習でしのぶに何もしてやれなかった分、眞秀君を大事にしたいという気持ちがあったのかもしれません」(女性誌記者)
寺島が無理強いしたわけではなく、眞秀君みずからが歌舞伎を好きになったのだとか。母、そして祖父の思いが、眞秀君の小さな双肩に託された。
(大門はな)