タッキー&翼・滝沢秀明といえば、中学生でジャニーズJr.になってから不調知らずのアイドルだ。俳優として開花するのも早く、松嶋菜々子演じる高校教師と禁断の恋に落ちる生徒役を好演した1999年の連ドラ「魔女の条件」(TBS系)は、平均視聴率21.5%をマークしている。
そんな彼が歌手デビューする際には、激しい争奪戦もあったという。レーベル会社の音楽関係者は振り返る。
「入所した1995年に早くもチャンスが訪れたと聞きます。その日、ある事務所では、この年のバレーボールのイメージキャラクター兼テーマ曲の会議が開かれていて、V6の結成が決まりました。その場にはジャニーさんと、なぜかJr.のタッキーもいて、机の上にはV6になるメンバーの写真や資料がズラリと並んでいたといいます。すると、ジャニーさんがタッキーを呼び、“この子が滝沢っていうんだ”と相手に紹介。タッキーは当然、自分がメンバー入りしたと思っていたのですが、そのまま数カ月がたち、気づけばV6がデビューしていたそうです」
なぜあのときジャニー社長はタッキーを連れて行ったのか? 実は会議の机の上には、なぜか長野博の資料だけがなかった。それが理由だ。
「ずいぶん経ってからタッキーは『あれ、なんだったの?』とジャニーさんに聞いたそうです。ジャニーさんからは『(長野の)顔写真がなくて、滝沢に似てるから、こういう顔だよってみなさんに見せたんだ』という、まさかの回答(笑)。入所以来ずっと、天使のような美少年といわれつづけたタッキーでしたが、ただ似ているという理由で会議に連れて行かれ、加入決定と思い込んでいた過去があったとは意外ですね」(前出・音楽関係者)
いかにも“直感人間”ジャニー社長らしいが、振り回される周囲は大変かもしれない。
(北村ともこ)