葵わかな主演のNHK連続ドラマ小説「わろてんか」が苦戦している。第1週こそ平均視聴率20.8%と好調な滑り出しだったが、主人公・藤岡てんが子役の新井美羽から葵になった第2週は19.4%、第3週は18.8%と右肩下がり。第4週は20%台に戻したが、これは、台風情報を得ようとしてNHKにチャンネルを合わせる視聴者が多かったからとも見られている。
この数字の動きを、テレビ誌ライターは次のように分析する。
「子役の新井は、同局の大河ドラマ『おんな城主 直虎』でも主人公・おとわの幼少期を演じた、笑顔が印象的な人気子役の1人。世間の認知度としては、葵よりも上でしょう。これまでも、子役が演技達者であるがゆえに、その後を引き継いだ役者が苦労したケースは多々ありましたが、今作で視聴者が脱落していった大きな理由は物語の凡庸さ。ヒロインは、吉本興業の創業者・吉本せいがモデルなのですが、いまのところ、未来の夫である松坂桃李演じる北村藤吉と駆け落ちし、大阪にある藤吉の実家に身を寄せています。けれども、藤吉の母からは嫁とは認めてもらえず、女中扱い。このベタな状況に、視聴者は既視感をおぼえているようです」
たしかに、番組感想の中には「朝ドラ定番の“嫁いびり”で視聴率を稼ごうという魂胆が見え見え」「良家のお嬢様が苦労して成功する話はもう、飽きた」「お約束って言うか 展開がありがち過ぎ」など、ストーリー自体に不満があるようだ。
けれども「今後に期待できる」と、前出のライターは続ける。
「物語の柱である『吉本興業の成り立ち』に話が進めば、往年の有名芸人も出てきます。話題になるし、昔の芸人を懐かしく思う人たちが、新たに視聴するのではないかと思いますね」
台風が去った後も、20%台をキープできるか? 今後の話の展開に期待したいところだ。