役所広司主演ドラマ「陸王」(TBS系)の第5話が11月19日に放送され、平均視聴率は前話から2.3ポイント増の16.8%と自己最高を記録した。
この日のラストは、実業団「ダイワ食品」陸上部員の茂木裕人(竹内涼真)が、大手シューズメーカー・アトランティス社の「RII」ではなく、こはぜ屋の「陸王」を履きレースに挑む。その姿に、こはぜ屋社長(役所)以下、応援に来ていた社員一同感激し、今までの苦労が報われたというシーンだった。
視聴者も「毎回役所さんが泣くと泣いちゃう」「履いたぁー(泣)ありがとう!!茂木!!」「あああ、ベタだけど泣ける」「正義は勝つ瞬間!」「このドラマ良すぎる……こはぜ屋の社員の気持ちになって観てしまう」など、すんなりと感情移入し、感動したようだ。
視聴率がジャンプアップした理由についてテレビ誌ライターは「実直な日本人の好きな話」と分析する。
「同局で放送され最高平均視聴率22.3%という驚異的なヒットとなった『下町ロケット』にも共通するのですが、職人気質でコツコツと積み上げてきたことが、大企業の圧力に屈することなく最後には報われる。つまり、まっとうに地道に生きている人が正当に評価されるというストーリーが好きなんだと思う。逆にいうと、現実社会は、大きな力に飲み込まれてしまうことが多々あり、それに屈し、悔しい思いをしている人が少なからず存在するということでしょう。だからこそ、このドラマを観て、溜飲を下げているんだと思います」
この勢いで、今期平均視聴率20%と独走状態の米倉涼子主演ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)を射程圏内に捉えることができるかもしれない。