フィギュアスケートの羽生結弦選手が全日本選手権を欠場することが、スケート連盟から正式に発表されたことにより、男子シングルの注目は宇野昌磨選手に集まっている。
「羽生選手がいないとなれば、男子の優勝は昨年に続き、宇野選手が有力でしょう。羽生選手が出場すれば、宇野選手との優勝争いで大いに盛り上がったのでしょうが、それもかなわなくなりました。それでもテレビ局は、全日本選手権の視聴率を上げるために連日、宇野選手にスポットを当てた報道を流しています」(スポーツライター)
12月18日放送の「スポーツLIFE HERO’S」(フジテレビ系)では、「全日本選手権を100倍楽しむ方法」としてフィギュアスケート特集を放送したが、その中でも宇野選手を、「世界最高峰の演技、驚異のスピードで進化を遂げる日本フィギュアの新エース」と紹介している。
必死に盛り上げようとするテレビ局だが、宇野選手本人はいたって冷静だ。
「GPファイナルではネイサン・チェン選手に敗れてしまったものの、得点差はわずか0.50。また、今シーズンのGPシリーズで、宇野選手は唯一300点超えをマークしており、最も羽生選手に迫っている選手と言っても過言ではない実力を持っています。それでも本人はインタビューで、優勝したいが王者は背負いたくないと答えている。羽生選手が背負ってきた王者のプレッシャーや覚悟を近くで見てきた宇野選手らしいコメントです」(前出・スポーツライター)
とかく「優勝」に一喜一憂しがちだが、羽生選手を筆頭に、アスリートはそれ以上に高い境地を目指しているのかもしれない。
(芝公子)