広瀬すずにとって10代最後のドラマとなる「anone」(日本テレビ系)が不調だ。第3話と4話では連続して視聴率が6%台に留まり、第5話の放送前夜となる2月6日には「NEWS ZERO」にて“anone特集”を放送。報道番組まで視聴率稼ぎに駆り出すなど、なりふり構わぬ番宣を展開している。
しかし、業界内ではその“anone特集”がむしろ逆効果になったのではとの懸念がささやかれているという。テレビ誌のライターが言う。
「今回のNEWS ZEROでは『心にしみる“セリフ”が話題』と銘打ち、脚本家の坂元裕二氏が繰り出す数々の“名ゼリフ”を紹介。主演の広瀬は『なんとなく自分が感じたり思ったことがセリフになっていて』と坂元氏の脚本をべた褒めしていました。しかし坂元氏のセリフについては視聴者の間でも評価が二分しているのが実情。『一つ一つの言葉が重い』といった声もあるものの、第1話で繰り出された『1日にスマホを3時間見てる人は一生のうちに10年見てることになるんですって』に代表される“スマホ文化否定”については、時代遅れと指摘する視聴者も少なくないのです」
そのNEWS ZEROでは作中で田中裕子が発した「人は手に入ったものじゃなくて手に入らなかったものでできてるもんね」とのセリフに注目。この言葉について広瀬は「私はこの(女優)の仕事をしていて夢みたいなことが続いていたけど、それはずっと続かないんだなと思った瞬間が結構あった」と告白し、そのうえで「ずっと欲しいものだけは手に入らないし、努力も必要だと思うし、努力しても届かないものも報われないものもあると思う。人生はうまくなっているんだなって、そのセリフですごく思いました」と、坂元節に酔いしれている様子を示していた。
「あまりの“脚本押し”に違和感がありましたね。というのも当初は『広瀬すず10代最後のドラマ』をアピールしていたはずなのに、いつの間にか坂元氏礼賛にテーマがすり替わっていたからです。本作品についてはすでに『広瀬が主役に見えない』との感想も寄せられているのに、こんな調子で脚本ばかり持ち上げていたら、何のために広瀬を主役に据えたのか、理解できない視聴者が増えるばかりでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
今回の番宣でも取り上げていた「死んでもいいっていうのは『生まれてきて良かった』って思えたってことだよ」とのセリフにあやかるなら、「anone」の低迷は「爆死でもいいっていうのは『放送して良かった』と思えたこと」という理屈なのかもしれない。
(白根麻子)