若気の至りとはこのことだろう。
優しくて、穏やかなイメージが真っ先に思い浮かぶ高橋一生。現在37歳で役者としてのキャリアは長く、名脇役として評価は高かったものの、人気が突如として上昇したのはここ1、2年という遅咲きの俳優だ。
いきなりのブレイクということもあって、ファン以外は高橋の苦労時代をあまり知らないという人も多いだろう。そんな中、その穏やかなイメージを覆すような動画が話題になっている。
その動画はかれこれ17年前、紀行ドキュメンタリー番組「世界ウルルン滞在記」(TBS系)に、当時21歳の高橋が出演した時の映像。高橋は東南アジアのラオスを訪れ、農家の仕事の手伝いをしていたのだが、異国の地での初めての農業体験ということもあって、段取りよく仕事ができなかった。
はじめは大人しく指示に従っていたものの、指導役の現地の人がお構いなしに次から次へと命令してくるため、途中で高橋は「次から次へといろんなこと言わないでくれよ。集中してんだから。やり方も全然わからない」「すぐそんなのできる? 普通」と怒ったように早口で不満をぶつける。さらに現地の子供たちから「お兄ちゃん、年下の私より(畑仕事が)下手だね」と言われたことで、高橋はさらにヒートアップ。草の茂みに蹴りを入れると、「あー! 悔しい! あぁ、ホント腹立つぅ~! あぁ!」と、絶叫するのだ。
高橋が怒るというイメージを全く持っていなかった世間の人々はこの動画を見て、「素でこれだけブチ切れている俳優初めて見たわ」「少し引いてしまった。これは黒歴史だろうな」「ガチギレやんかい」と衝撃を受けているようだ。
「拡散されている動画は高橋がブチ切れているシーンだけを編集した1分ほどの動画。このシーンだけ見ると、何もできないことにただ高橋がイライラしているように受け取られてしまいますが、本編では、現地についてすぐにホストファミリーに挨拶をする暇もなく畑仕事をさせられ、その後も言われるがままに家の仕事を手伝わされたうえ、何だかんだとイチャモンをつけられることの繰り返しでした。東京生まれ、東京育ちの高橋にとっては全てが初めての経験でしょうし、作業を手伝っても大して教えてもらえないばかりか、『余計なことばっかりして』『こんなこと二度とやるなよ』など厳しく注意されたのだから怒りたくなる気持ちも分かります。高橋もこれほど吠えたことは初めてだったと振り返り、ブチ切れたことを反省していましたから、若気の至りといったところでしょう」(エンタメ誌ライター)
ただ、この激高シーンはファンには有名で、高橋ファンはこの出来事もしっかり受け止めたうえで、高橋の全てが好きという考えのようだ。
(田中康)